SNSで見込み客とつながり、問い合わせへ。ウィルゲートに聞く、アポトルとソーシャルセリングの活用
2026年10月22日
営業先のリストは作れても、会いたい相手に連絡が届かない。SNSで発信を続けても、問い合わせにつながらない。法人向けの営業では、誰に、どのような接点からアプローチするかが課題になります。
株式会社ウィルゲートの吉岡諒さんは、FacebookやXを使った営業を「ソーシャルセリング」と呼び、企業のリード獲得を支援しています。企業情報とSNSを結びつけたツール「アポトル」と、発信から問い合わせを得る仕組みを、実際の事例とともにうかがいました。
ゲスト:吉岡諒さん(株式会社ウィルゲート・専務取締役COO/共同創業者)
聞き手:竹村優(株式会社プロベル)
企業公式サイトはこちら:https://www.willgate.co.jp/
発信から問い合わせを得る方法と、会いたい相手へ連絡する方法を組み合わせる
竹村:リード獲得の支援には、「アポトル」と「ソーシャルセリング」の二つがあるとうかがっています。まず、それぞれどのようなサービスなのか教えてください。
吉岡さん:ソーシャルセリングは、SNSを使って営業することです。主に法人向けの見込み客を開拓するため、弊社ではFacebookとXをお勧めしています。この二つを使い、どうすれば問い合わせを得られるのかを支援しています。
例えば弊社では、エディトルやTACT SEOに関心を持っていただくために、Deep Researchを使ってSEOに強い記事を作る実験を投稿しました。「記事を15分ほどで作れています。このプロンプトが欲しい方はいますか」と案内したところ、Facebookでは、私自身の返信を除いても1投稿で約140件の引き合いがありました。
同じ内容をXで投稿すると、702件の問い合わせがあり、約20万回表示されました。こうした投稿の仕組みを整理し、ほかの企業でも取り組めるようにコンサルティングするのが、ソーシャルセリングです。

竹村:発信を見た相手から、興味があると手を挙げてもらう方法ですね。一方、アポトルは、こちらから働きかけるためのサービスなのでしょうか。
吉岡さん:そうです。ソーシャルセリングがプル型だとすると、アポトルはプッシュ型です。
企業データベースにFacebookやXの情報をひもづけていて、営業先の条件を入れると、会社のリストと、その会社の経営者や決裁者、担当者の情報が出てきます。
その情報をもとに直接アプローチすることもあれば、Facebookで共通の知人を見つけて、「よかったら紹介していただけませんか」とお願いすることもできます。接点を見つけ、アポイントにつなげていくためのツールです。
企業情報にSNSを重ね、連絡する相手と接点を見つける
竹村:営業先の会社が分かるだけでなく、誰に、どう連絡すればよいかまで見えるのが特徴なのですね。リストは、どのように作るのでしょうか。
吉岡さん:取材時点で、約490万社の企業データに、約36万件のSNSデータがひもづいています。業種、従業員数、売り上げ、資金調達額などの企業条件と、役職や担当領域を組み合わせて絞り込めます。
例えば「従業員20名以上」「執行役員・取締役以上」「FacebookやXのアカウントがある人」という条件では、約1万5,000人のリストが出てきます。
SNSのアカウントには、アクティブかどうかを判断するための表示もあります。同じ会社に複数の経営陣がいても、Facebookで活動している人と、Xで活動している人は違うことがあります。そのため、実際に使われているアカウントを見て、連絡先を考えられます。
竹村:業種や規模だけでなく、今どのような課題を持っていそうか、という条件でも探せるのでしょうか。
吉岡さん:はい。人材関連の会社なら、どの職種を、どの媒体で募集しているかを確認できます。資金調達の時期や金額、新卒採用をしているかといった情報もあります。
ほかにも、SaaSを提供している企業や、マーケティングオートメーションのツールを使っている企業などを絞り込めます。自社の商品と相性のよい会社や、取り組みに力を入れていそうな会社を探すために使えますね。
竹村:リストができた後のアプローチにも、接点による違いはあるのでしょうか。
吉岡さん:あります。もともとFacebookやXでつながっている相手では、アポ率が15〜20%ほどになるケースがあります。面識がない場合も、対象を絞り、アクティブなアカウントを確認して、経営者から経営者へ連絡することで、5〜10%ほどのアポ率が出ています。
ただ、若手の担当者が大きな会社の社長に連絡しても、同じように反応を得られるとは限りません。誰から、誰へ連絡するのかは大切です。
特に、共通の知人を通じて紹介をお願いした場合には、20〜40%ほどのアポ率が出ています。知らない相手へいきなり連絡するのではなく、つながりを生かせることが大きな特徴です。

SNSだけで完結させず、フォームや電話、履歴管理も使って営業を進める
竹村:SNSと企業情報を結びつけた営業ツールは、ほかにもあるのでしょうか。
吉岡さん:LinkedInなどに対応したツールはあります。私自身もLinkedInに100時間ほど取り組み、つながりを約6,000人まで増やしてメッセージを送りました。ただ、私の場合はアポイントにつながる割合が低く、成果を出すのが難しいと感じました。その経験から、弊社では意図的にFacebookとXに取り組んでいます。
一方で、この二つの情報を集めるにはコストがかかります。Xの情報収集に投資したり、Facebookの公開情報を手作業で集めたりしながら、データを整えています。
アポトルも、立ち上げ時には大きな先行投資が必要でした。社内で反対の意見もありましたが、需要があると考えて続け、取材時点では黒字化が見えるところまで利用企業が増えてきています。
竹村:つながる先の情報を、継続して整える必要があるのですね。実際の営業では、SNS以外の連絡方法も組み合わせられますか。
吉岡さん:電話番号や問い合わせフォームのURLもあるので、SNS、フォーム、電話を組み合わせられます。
例えば、SNSで連絡したうえで、フォームから「この件で、何々さんに連絡したい」と伝えると、管理部門から担当者へ転送していただけることがあります。電話でも、単に営業責任者を呼び出すのではなく、「何々さんへSNSでメッセージを送り、その件でお話ししたい」と伝えることで、話が通じやすくなる場合があります。
竹村:複数の担当者で動くと、同じ相手へ重複して連絡してしまうこともありそうです。その点は、どのように管理するのでしょうか。
吉岡さん:アポトルは複数人で利用でき、アプローチの履歴を残せます。既存顧客や、すでに営業中の会社を登録して、アプローチしない企業としてリストから除外することもできます。間違って同じ会社へ案内してしまうことを防ぐための機能です。
ツールを使った後の運用が、アポイントや受注につながる
竹村:アポトルを使った企業では、どのような成果が出ているのでしょうか。
吉岡さん:取材時点では、サービス開始から9〜10か月ほどで、利用企業は100社に近づいている段階です。
映像制作やマーケティングを行う会社では、3か月で42件のアポイントを獲得した事例があります。フォーム営業とSNSを組み合わせたり、Facebookの共通の知人へ紹介をお願いしたりして、効率よくアポイントを取られています。
また、上場企業50社へのアプローチから、22件のアポイントにつながった事例もあります。
受注の例では、ヘッドハンティングの会社が、初月に約1,000万円、2か月目に約2,000万円、合計約3,000万円を受注しています。経営者向けの広報やPRの支援会社でも、3か月で約3,000万円の受注につながった事例があります。
ツールを契約するだけではなく、導入後にきちんと運用を回してくださっている会社で、大きな成果が出ています。
竹村:情報を手に入れて終わりではなく、相手に合う連絡や紹介の依頼を実行していくことが大切なのですね。
吉岡さん:そうですね。
誰にどう認知されたいかを定め、発信と問い合わせの仕組みを作る
竹村:次に、投稿から問い合わせを得るソーシャルセリングについて教えてください。まず、どのような相手に見てもらうかを考えるのでしょうか。
吉岡さん:はい。例えばXでは、経営者のアカウントや、スタートアップ、従業員数といった条件で、自社のターゲットになる企業のリストを作ります。その方々をフォローしていくと、フォローバックが30〜40%ほど返ってくることがあります。
そこで、自社の商品に関心を持ってくれそうな方向けに発信します。先ほどの投稿では、フォロワーだけでなく、その方のフォロワーにも広がり、約20万回表示されました。ターゲットとのつながりと、投稿への反応を通じて、問い合わせを得る仕組みです。
竹村:見込み客とつながった後、どのような内容を発信するかも重要ですね。投稿の方針は、どう決めていくのでしょうか。
吉岡さん:セルフブランディングのシートを使い、「誰に対して、どのように認知されたいか」を定めます。私なら、まず営業、次に採用が目的で、ビジネスではSEO、M&A、ソーシャルセリングの専門家だと知ってもらいたいと考えています。
そのうえで、価値観や思いを伝えて共感してもらう投稿、専門知識を届けて役立ててもらう投稿、活動報告を通じて商品を知ってもらう投稿を組み合わせます。この三つがそろったうえで、リード獲得の投稿をしていきましょう、とお伝えしています。

竹村:問い合わせを促す投稿だけを続けるのではなく、その前に、人柄や専門性、商品を理解してもらうのですね。ただ、忙しい経営者が発信を続けるのは大変ではありませんか。
吉岡さん:そこは、生成AIやツールで効率化しています。自分のインタビュー記事やブログを要約すれば、価値観や思いを伝えるコンテンツが作れます。過去に出した本や、YouTubeで話した内容も、投稿の材料になります。
弊社にはSEOのオウンドメディアの記事もあるので、専門的なノウハウをSNS向けに作り直すこともできます。そうして作ったものを、ツールで自動投稿する仕組みも組み合わせています。
私自身、毎日多くのアポイントがあり、投稿に時間をかけ続けるのは難しいのですが、AIによるコンテンツ作成と自動化を使いながら、フォロワーや投稿の表示回数を伸ばしてきました。
Facebookで9か月に1,000アポ、6億円の新規受注につながった事例も
竹村:ソーシャルセリングの支援では、特に印象に残っている事例はありますか。
吉岡さん:大きな成果が出たのは、Facebookを活用した事例です。芸能人のサブスクリプションサービスを提供する会社で、立ち上げ当初、まだ売り上げがないころからご支援しました。
9か月で経営者とのアポイントが1,000件取れ、100社からの受注につながりました。その9か月での新規受注額が6億円です。会社全体では、1期目に13億円の売り上げを達成されています。
ここまでの成果になるとは、私自身も驚きました。親会社の社長からも「依頼してよかった」と言っていただき、その口コミの投稿を見たほかの企業から、弊社にも5社ほどご依頼がありました。お客様の成果を追求したことが、次のご相談にもつながった事例です。
竹村:アポトルで相手を探して連絡する方法と、発信から問い合わせを得る方法。その両方を、実際の営業につながる形で支援されているのですね。本日はありがとうございました。
吉岡さん:ありがとうございました。
株式会社ウィルゲートの強み・特徴
- 【企業情報とSNSを結び、会いたい相手への接点を探す】:アポトルで業種や規模、採用・資金調達などの条件と、経営者・担当者のSNS情報を組み合わせてリストを作成。アクティブなアカウントや共通の知人を確認し、相手に合う連絡方法を選ぶことで、リスト作成からアポイント獲得までを支えます。
- 【発信の目的と内容を整え、問い合わせを生む仕組みへ】:誰にどう認知されたいかを定め、価値観、専門知識、活動報告を組み合わせた発信を設計。ターゲットとのつながりを増やし、投稿への反応を通じて見込み客へ届く流れを考えます。問い合わせを促す投稿だけに偏らず、その前提となる理解や関係づくりも支援します。
- 【営業の運用と、発信を続ける体制まで考える】:SNS、フォーム、電話を組み合わせ、履歴管理や対象外企業の除外も使いながら営業を進めます。発信には既存の記事・本・動画を生かし、生成AIと投稿ツールで効率化。ツールの導入や投稿作成で終わらず、アポイントや受注につながる運用を支えます。
企業公式サイトはこちら:https://www.willgate.co.jp/
インタビュー動画はこちら:https://www.youtube.com/watch?v=FjYPDffhnQU