フォロワー数ではなく、採用につなげる。DEITAに聞く、成果報酬型SNS運用の設計と進め方
2026年10月22日
SNSを運用しても、応募や採用につながっているか分からない。投稿の反応は増えても、求める人材には届かない。こうした悩みに対し、株式会社DEITAは、InstagramとTikTokを使った採用支援を行っています。
自社の人事として採用に携わり、SNS採用も取り入れてきた柳寿彦さんに、成果報酬型の支援を始めた背景や、認知から応募までの導線、運用体制についてうかがいました。契約後に残るアカウントと制作素材の扱いも含め、依頼する前に押さえたい点をお聞きします。
ゲスト:柳寿彦さん(株式会社DEITA・第五本部 HR戦略推進部統括/セールスマーケティング部統括)
聞き手:竹村優(株式会社プロベル)
企業公式サイトはこちら:https://deita.co.jp/
自社の採用経験から、SNSによる採用支援へ
竹村:柳さんは、もともと自社の人事として採用に携わってこられたそうですね。これまでのご経験と、現在のお仕事を教えてください。
柳さん:25歳のときにDEITAへ入り、採用の仕事を続けてきました。年間174名ほどの採用計画に関わるなど、自社の採用を進めてきた経験があります。それに加え、新規事業や自社サービスの活性化にも携わっています。
初めからSNSの運用代行をしていたわけではありません。自社では人材紹介会社や求人媒体を使って採用していましたが、その途中でSNS採用も提案しました。現在は、SNSも自社採用の一つの軸になっています。
竹村:採用する側として考えてきた経験が、今の支援にもつながっているのですね。企業向けのSNS運用も、採用に特化しているのでしょうか。
柳さん:はい、採用に特化しています。もともと当社では人材紹介も行っていましたが、キャリアアドバイザーの管理や対応には工数もかかります。SNSで人を集められるのであれば、他社のInstagramやTikTokのアカウントに直接集客できるのではないかと考え、始めたサービスです。
運用代行の市場を調べると、費用をかけても応募が取れず、効果が分かりにくいという悩みがありました。知名度が高くない会社でも効果が出るのか、という不安もあります。また、エンタメに寄せすぎた投稿が、企業のブランディングにつながっていないケースも見られました。
当社は創業当初から成果報酬型を事業の軸にしてきたので、その考え方をSNSの採用支援にも取り入れています。
竹村:フォロワー数は一つの手段で、企業が求めているのは採用ですよね。成果報酬を軸にする一方で、アカウントの立ち上げ方も企業ごとに相談するのでしょうか。
柳さん:おっしゃる通りです。基本は成果報酬型ですが、デポジットや、まだ育っていないアカウントを広げるための広告費などは、企業ごとに相談して決めています。状況を見ながら、どう集客していくかを考える形です。
認知から理解、応募までの導線を整える
竹村:実際に採用につなげるために、クリエイティブや運用では、どのようなことを大切にしているのですか。
柳さん:主に使う媒体はInstagramとTikTokです。動画や画像でまず会社の認知を広げ、その会社への理解を深めてもらいます。そのうえで、興味を持った方が応募に進めるように導線を組む、というのが基本設計です。
例えば、Instagramのプロフィール画面の見栄えやトンマナ、文字の位置なども見直します。少しの変更で応募率が変わることもあるので、日々改善を繰り返しながら、各社にとって現状でよい形を当てはめていきます。

竹村:見た目だけを整えるのではなく、応募までの流れを見ているのですね。企業らしいテイストは、どのように反映するのでしょうか。
柳さん:会社ごとに、かっこよく見せたいのか、かわいい印象にしたいのか、仲のよさを伝えたいのかなど、ご希望は違います。そこをうかがい、企画を立てて撮影に行き、投稿内容にして、実際に投稿した後もモニタリングします。
クリエイティブも、まずは成果につながるように設計します。応募を考える方から見て、あまりにも見栄えが悪いものや、どうなのだろうと思われる内容を出すわけではありません。ただ、ひたすらかっこいいものを作ればよい、という考え方でもありません。
専用チームで運用し、投稿数も反応を見て考える
竹村:企画から撮影、投稿後の改善まで、一社に対してどのような体制で進めるのですか。
柳さん:企業ごとに専任のディレクターを置き、その会社のためのチームを組みます。お客様が主にやり取りする相手は1名で、その後ろに3〜5名ほどのクリエイターがいる体制です。
取材時点の基本設計では、Instagramは画像投稿が月2回、動画投稿が月10本、ストーリーズが月4回です。TikTokにも動画を投稿するので、こちらも月10本ほどになります。
竹村:必要に応じて本数を増やすこともあると思いますが、多く投稿すればよいというわけではないのですね。
柳さん:はい、本数を増やす対応もできますが、動画や画像を増やせばよいとは限りません。見る方から「うるさいアカウントだ」と思われ、フォローを外される可能性もあります。そうしたことも踏まえ、今の投稿頻度を基本にしています。
正式なサービス開始の前にも、お付き合いのある企業でテスト運用をしてきました。投稿本数だけを納めるのではなく、採用に向けて反応を見ながら運用することを重視しています。
採用人数と未経験採用の条件を踏まえて支援する
竹村:相性がよい企業には、採用人数や募集する職種などの目安はありますか。
柳さん:業種や職種で、一律に対象を分けているわけではありません。ただ、成果報酬型で支援する以上、一定の採用人数を予定している企業との相性がよいと考えています。
目安としては、年間の中途採用が10名以上、より望ましいのは20名以上です。さらに、未経験者も採用できることが一つの条件になります。採用のハードルが高すぎると、SNSで人を集める難易度も上がるためです。

竹村:企業規模そのものより、採用計画と募集条件を見て判断するのですね。例えば5〜6名の採用を考えている企業も、相談はできますか。
柳さん:ご相談はできます。業界や職種は限定していませんし、営業職のように採用人数を必要とする企業が多い職種は、特に取り組みやすい面があります。販売職や施工管理職など、採用が難しいと言われる職種もご相談いただけます。
お客様の悩みは、大きく二つあります。一つは、求人媒体を使っても採用の母集団ができないことです。応募が集まっても、求める条件に合う有効な応募になっていないという声があります。
もう一つは、採用単価が上がっていることです。求人媒体で採用できなくなり、人材紹介への比重が高まることで、費用も増えている企業があります。こうした母集団形成と採用単価の課題を持つ企業から、ご相談をいただくことが多いですね。
アカウントと制作素材の権利を分けて確認する
竹村:成果報酬型で依頼し、採用の目標を達成して契約が終わった場合、運用したアカウントはどちらに残るのでしょうか。
柳さん:アカウントの所有権は、お客様の企業に帰属します。一方で、私たちが制作した動画や画像の権利は、いったん当社が持つ形です。
取材時点の契約では、2年間一緒に運用した場合、制作した動画や画像もすべてお渡しする形にしています。それより前に契約を終了する場合は、当社が制作してアカウントに載せた動画は削除する、という扱いです。

竹村:アカウント自体は企業のもので、制作素材は契約期間によって扱いが変わるのですね。長く運用することを、どのような価値につなげたいと考えていますか。
柳さん:採用に向けたSNSの運用は、単なるコストではなく、未来への投資だと考えています。会社を広く知ってもらい、「この会社はこういうことをしているんだ」と理解してもらうことが、ブランディングにもつながります。
すでに働いている社員も、「うちの会社には、こんなによい制度があったんだ」と改めて気づくかもしれません。採用だけに限らない、そうした付加価値も提供できるサービスだと思っています。
竹村:一方で、成果が出ないときに運用を続けてもらえるか、不安を感じる企業もあると思います。その点は、どのように向き合っているのでしょうか。
柳さん:基本的には、やり切るまで担当するという姿勢です。成果報酬型で取り組む以上、当社もリスクを負って支援します。
このサービスは、他社の業務を代行するだけではなく、「DEITAといえばこれ」と言われるような、自社を代表するサービスの一つにしていきたいものです。だからこそ、成果を出すことに強い思いで取り組んでいます。
竹村:採用につながる導線や運用を継続して改善し、会社の理解を深めることも目指しているのですね。本日はありがとうございました。
柳さん:ありがとうございました。
株式会社DEITAの強み・特徴
- 【採用する側の経験から、応募までの導線を設計】:自社の人事として採用に携わってきた経験を生かし、InstagramとTikTokで認知を広げ、会社の理解から応募へつなぐ流れを設計。フォロワー数だけを追わず、プロフィールや投稿の見せ方も反応を見ながら改善します。
- 【専任ディレクターとクリエイターが一社ごとに伴走】:主な窓口を1名にまとめ、3〜5名ほどのクリエイターと専用チームを構成。会社が伝えたいテイストを聞き、企画、撮影、投稿、モニタリングまで進め、投稿本数と見る側の受け止め方を両方考えて運用します。
- 【採用計画に合う支援を、継続的な会社理解につなげる】:一定の中途採用人数や未経験採用の可否を踏まえて支援方法を相談。母集団形成と採用単価の課題に向き合いながら、求職者にも在籍社員にも会社の魅力が伝わる運用を目指します。
企業公式サイトはこちら:https://deita.co.jp/
インタビュー動画はこちら:https://www.youtube.com/watch?v=fDRZ6_H_J1g