採用だけで終わらせない組織づくり。株式会社永に聞く、出店・人材採用・定着を支える仕組み
2026年10月22日
採用活動に取り組んでいるのに人が集まらない。事業を拡大したくても、人材育成や評価の仕組みが追いつかない。こうした課題を解決するには、個別の施策に加えて、事業の方針と組織全体をつなげて考える必要があります。
今回は、株式会社永(とこしえ)の代表取締役・永山洋介さんに、組織づくりの支援事例をうかがいました。飲食企業の出店体制づくり、トレーラーハウス企業の営業採用、社員が将来を描くための評価・報酬制度の設計を通じて、採用と事業の成長をどのようにつないでいるのかをお話しいただきます。
ゲスト:永山洋介さん(株式会社永・代表取締役)
聞き手:竹村優・田中磨生(株式会社プロベル)
経営方針から組織のあるべき姿を考え、優先順位を付ける
竹村:今回は、実際の支援事例と、サービスを提供するまでの流れをうかがいたいと思います。まずは、これまでの実績について教えてください。
永山さん:株式会社永は、2024年10月29日に設立しました。取材時点では、人事の顧問として支援している会社が数十社あり、ご紹介や、紹介いただいた方からのさらなるご紹介を通じて、ご相談をいただいています。相談段階の会社も含めると、約50社をご支援している状況です。
人材不足や外部環境の変化の中で、組織に課題を感じている企業は多くあります。そこに対して、私のこれまでの知見を生かして支援しています。
最初にご相談いただいた際には、まず経営の方針や事業の戦略をうかがいます。そのうえで、経営や事業の推進力を高めるには、どのような組織であるべきかを、お客様と一緒に考えます。
理念・採用・育成・報酬・評価・配置・代謝といった機能について、あるべき姿と現状を整理し、優先順位を付けて、必要な打ち手を考えます。定例の場で一緒にPDCAを回しながら進めていく形です。
新業態の立ち上げを、育成・評価と採用の両面から支援
竹村:経営や事業の方針を踏まえて、組織全体を考えるのですね。具体的に、どのような会社で、どのような成果が出ているのでしょうか。
永山さん:一つは、複数の飲食業態を運営し、新たにスイーツ系の業態を始めようとしていた会社です。評価・報酬制度の設計や、マニュアル、育成プログラムの作成などをお手伝いしました。
オペレーションや育成の仕組みを整えたことだけが要因ではないと思いますが、そうした支援を進める中で出店のスピードも上がり、今では全国で数十店舗を展開しています。

竹村:出店を支えるために、具体的にはどのような内容から取り組んだのでしょうか。
永山さん:組織づくりと、出店する際のオープニングスタッフの募集を手伝ってほしいというご相談でした。ゼロからご一緒し、育成プログラムやオペレーションのマニュアル、評価・報酬制度を整えました。
採用についても、方針を策定しています。自社の魅力を整理し、求める人材について分析したうえで、あるべき組織に必要な人物像を設計し、その方々を採用するための支援をしました。
成長段階の会社に必要なのは、組織としての実行力や、変化に対応する力だと思います。それを身につけるには、組織の戦略だけでなく、運用も必要です。その部分を支援することで出店のスピードを上げられ、オープニングスタッフの募集についても引き続きご依頼いただいています。
採用の相談から組織全体を見直し、営業人材を3か月で3名採用
竹村:仕組みを整えることが、次の出店や採用にもつながっているのですね。ほかには、どのような事例がありますか。
永山さん:トレーラーハウスの販売・レンタルを行っている会社で、人事の戦略顧問として支援している事例があります。急成長している会社で、営業の採用について、中長期的に本質的な採用力を高めるための組織戦略を、これからつくる必要がありました。
最初のご依頼は採用でしたが、組織づくりから支援することになりました。半年ほど採用がうまく機能していなかったところ、組織の戦略をつくって採用力を高めることで、3か月ほどで3名の営業人材を採用できました。

その後は、採用した方の育成も支援しています。また、応募書類を送っていただいてから一次面談につながる割合があまり良くなかったため、面接代行にも入りました。
さらに、「営業もできますか」というご相談をいただき、現在は営業も支援しています。事業の拡大に合わせて、組織づくり、採用、営業をお手伝いし、事業も伸びている会社です。
竹村:採用の施策だけでなく、組織をつくるところから入ったのですね。具体的には、どのような流れで進めたのでしょうか。
永山さん:この会社では、理念・採用・育成・評価・報酬・配置・代謝を、それぞれ考えてはいました。ただ、それらが有機的に機能するための、全体の設計がなされていませんでした。
そこで、まず全体を設計したうえで、それぞれのあるべき姿と現状の差から、何をする必要があるのかを整理しました。優先順位を付け、2週間に1回ほどのペースでPDCAを回しながら取り組んでいます。
竹村:理念から採用までをそれぞれ設計している会社でも、つながっていないことは多いと感じます。弊社も含めて、そこが課題になりやすいですね。
永山さん:そこに十分に携われていない経営者の方も多くいらっしゃいます。経営に集中していただくためにも、組織づくりの困りごとは私たちに任せていただき、あるべき組織をつくれるように支援しています。
長く働く将来を示す、評価・報酬制度とキャリアパス
竹村:経営者が事業に集中できるよう、組織の面を支えているのですね。最後に、もう一つ事例を教えていただけますか。
永山さん:売り上げが100億円ほどの規模の飲食企業です。知人を通じて、私が株式会社永を設立したことを知っていただきました。
その会社には、従業員の将来のキャリアパスを設計できていないという課題がありました。経営者は長く働き続けてほしいと考えているものの、その先の道筋を示せておらず、将来に対する危機感を持っていました。
そこで、キャリアパスを明示できる評価・報酬制度を設計しましょうとお話ししました。現在は、その制度の設計と運用を支援しています。キャリアパスを明確にし、社内外から選ばれる組織づくりに取り組んでいる事例です。

竹村:採用がうまくいかないときほど、今いる人を大事にし、活躍できるようにすることも、事業の成長に欠かせないと感じました。採用と組織づくりを総合的に相談できることが分かりました。本日はありがとうございました。
永山さん:ありがとうございました。
株式会社永の強み・特徴
- 【事業戦略と組織の仕組みをつなぐ】:経営方針や事業戦略を出発点に、理念・採用・育成・評価・報酬・配置・代謝を一体として設計します。あるべき姿と現状の差から取り組む順番を決め、定例でのPDCAまで伴走することで、個別の施策が事業の成長につながる組織づくりを支援します。
- 【成長段階に合わせて採用から育成・営業まで支援】:新業態の立ち上げでは、育成プログラムや業務マニュアル、評価・報酬制度と、オープニングスタッフの採用を合わせて支援。トレーラーハウス企業では、採用の相談から組織全体を見直し、人材の育成や面接代行、営業支援へと対応を広げています。
- 【長く働く将来を示す制度設計と運用】:社員に長く働いてほしくても、その先のキャリアを示せていない企業に対し、キャリアパスを明確にする評価・報酬制度を設計します。制度をつくるだけでなく運用も支援し、社員と、これから入社する人の双方から選ばれる組織を目指します。
インタビュー動画はこちら:https://www.youtube.com/watch?v=7qny5s1gjdE