組織づくりを事業の成長につなげる。株式会社永が語る、採用・育成から営業支援までの取り組み
2026年10月22日
事業を拡大したい一方で、組織をどう育てればよいのか分からない。営業を強化しようとしても、戦略や人材育成、現場の動きがつながらない。株式会社永(とこしえ)は、こうした課題に対し、組織づくりから営業支援、ファイナンスまでを扱っています。
今回は、マイナビでの拠点・メディアの立ち上げやグループ会社の経営、M&A仲介会社での経験を持つ永山洋介さんに、事業を前に進めるための組織支援についてうかがいました。
ゲスト:永山洋介さん(株式会社永・代表取締役)
聞き手:竹村優・田中磨生(株式会社プロベル)
マイナビでの立ち上げと経営経験から、組織づくりの支援へ
竹村:永山さんは、私の会社員時代の大先輩でもあります。営業組織を育てる面でも印象に残っているのですが、まずはこれまでのご経歴と、現在のお仕事について教えていただけますか。
永山さん:大学時代から、自分で会社をやりたいという思いが強くありました。宅地建物取引士の資格を取っていたこともあり、最初は不動産会社に入社しました。会社を経営するうえで、営業ができないよりはできたほうがよいと考えたからです。
そこで一定の成果を出した後、今度はゼロから事業を立ち上げる仕事に携わりたくなりました。2007年、非正規雇用向けの「マイナビバイト」を立ち上げるタイミングで、当時の毎日コミュニケーションズ、現在のマイナビに入社しています。
約9年間、全国の拠点やメディアの立ち上げに携わり、その後は女性向け事業部の責任者を経験しました。さらに、組織コンサルティングや採用支援を行うマイナビグループの会社で代表を務めています。
その後、別の上場企業のグループにあるM&A仲介会社の経営にも約2年間携わりました。その経験を通じて、HRとM&Aの親和性の高さを感じ、この両方を一気通貫で扱える会社として株式会社永を設立しました。
竹村:マイナビ時代は、永山さんご自身だけでなく、率いる組織からも多くの受賞者が出ていました。当時は、どのくらいの規模の組織を担当されていたのでしょうか。
永山さん:東北・北海道のエリアで、拠点は10拠点弱、全体でおそらく100人に満たないくらいの規模でした。約8割が営業で、残りが制作という組織です。
個人やチーム、グループなど、さまざまな単位の表彰がありました。東北では各階層で最上位の金賞を取ることを目指し、メンバーがそれぞれ受賞を意識しながら、毎年取り組んでいました。
田中:東北のようなエリアは、首都圏と売り上げの金額だけで比べると不利になりそうな印象があります。その点は、どのように評価されていたのですか。
永山さん:売り上げの規模は、ほかのエリアのほうが大きい場合もありました。ただ、当時は目標に対する達成率に加えて、その市場の中でどれだけシェアを取れているかも、大きな評価指標の一つだったんです。
金額だけでなく、市場全体の中で自分たちが何%を取れているのかという軸で、全国の営業が評価されていました。そこでシェアを取ることができていたのが、当時、表彰につながった背景です。

社名「永」に込めた、長く続く会社と取引への思い
竹村:グループ会社での経営を経て独立されたわけですが、「永」と書いて「とこしえ」と読む社名には、どのような思いがあるのでしょうか。
永山さん:それまでの会社では、会社には社会の中での公共性があると考えて、自分の名前は入れないと決めていました。ただ、経営者としてさらに成長するために、それまでの自分の考えとは逆の選択もしてみようと思うようになったんです。
そこで、自分を社名にも出そうと考え、永山の「永」を選びました。この一文字で「とこしえ」と読むことも知り、その名前に決めています。
田中:永山洋介さんのお名前の中でも、「永」を選ばれた理由はありますか。
永山さん:最初は「永山組織研究所」のように、名字を出す名前も考えました。ただ、そこまで前面に出すのは少し恥ずかしかったので、一文字にしました。今はとても気に入っています。
会社が長く成長し続け、生き続ける会社でありたいという思いもあります。また、お客様との一つひとつのプロジェクトも、短い期間で終わるのではなく、うまくいって、長く続けていける関係にしたい。その意味でも、「永」という字を選びました。
採用・育成・評価を別々にせず、組織全体を設計する
竹村:長く続く関係を大切にされているのですね。ここからは、具体的にどのような形で組織を支援しているのかを教えてください。
永山さん:主な事業領域は、組織コーチング、求人広告、採用代行、営業支援、ファイナンス支援の5つです。
組織コーチングでは、理念・採用・育成・評価・報酬・配置・代謝という7つの機能を捉えています。本来は、それぞれが有機的に機能するように全体をデザインする必要があります。
まず、どこに課題があるのか、あるべき姿は何なのかを踏まえて優先順位を付け、具体的な打ち手を考えます。そのうえで、お客様と一緒にPDCAを回しながら、組織をつくっていく進め方です。
ただ、組織をつくること自体が、経営の目的になるわけではありません。経営や事業の推進力を高めるには、どのような組織であるべきか。そこを踏まえて支援しています。

竹村:組織全体を見たうえで、必要な領域に取り組んでいくのですね。ほかの事業領域とは、どのようにつながっていますか。
永山さん:組織づくりの支援から入り、その後、求人広告や採用代行、営業支援、ファイナンス支援へと広がるパターンがあります。逆に、ファイナンスやアライアンスの支援から始めて、その後に営業や採用、組織づくりをお手伝いするパターンもあります。
組織づくりをご一緒する中で、「営業をもう少し強化したい」というご相談も多いです。私自身が営業出身で、組織としての営業成果をどう再現性高くつくるかについて、これまでの経験から体系的な知識や知見を持っているため、営業支援にも多く取り組んでいます。
営業戦略の設計から、育成と現場での実行まで支える
竹村:組織開発や営業支援を行う会社も増えていると感じます。その中で、御社の強みや、ほかの会社との違いはどこにありますか。
永山さん:経営資源としてよく言われる「人・物・金」の領域を、自分でも経験していることが一つです。それぞれの領域に対する解像度を持ったうえで、どのような営業戦略を設計すればよいかを考えられる点が、ご相談をいただく要因だと思っています。
営業支援にもさまざまな形がありますが、私たちは全体の営業戦略の設計から、営業の育成プログラムの策定、実際の営業現場への同行まで対応します。また、自分たちでインサイドセールスやフィールドセールスを行うこともあります。
戦略を設計するだけでなく、営業の支援や現場での伴走まで一気通貫で行い、それを経営にひも付けて進められるところが、私たちの強みです。

成長・拡大期の企業から寄せられる、組織と資金の相談
竹村:大きな組織の営業部長、立ち上げ期の組織、会社の経営と、幅広い立場を経験されていることが、今の支援にもつながっているのですね。現在は、どのような業種や規模、成長段階の企業からのご相談が多いですか。
永山さん:組織の規模は数十人から、多いところでは従業員を合わせて1,000人弱くらいです。業種では、飲食、HR、IT関連、不動産などのお客様がいらっしゃいます。
成長段階でいうと、ゼロから事業を立ち上げる段階や、そこからさらに拡大していく段階のお客様が多いですね。一定の成長を終えて、仕組みやオペレーションを部門ごとに運用していく段階というより、組織を拡大している企業への支援が中心です。
竹村:まず相談する場合は、どのような内容から始まることが多いのでしょうか。
永山さん:大きく2つあります。一つは、「組織をどうつくればいいのか」という、人に関するご相談です。もう一つは、事業を成長させるための、ファイナンス戦略に関するご相談ですね。
組織の相談から始まって採用や営業を支援することもあれば、資金面の相談を入り口として、組織や採用、営業をお手伝いすることもあります。
竹村:事業を成長させるために、組織や営業をどう育てるか、人材面で何を変える必要があるかを相談できるのですね。本日はありがとうございました。
永山さん:ありがとうございました。
株式会社永の強み・特徴
- 【事業の推進力から考える組織づくり】:理念・採用・育成・評価・報酬・配置・代謝の7つの機能を捉え、個別の施策だけでなく、組織全体のつながりを設計します。課題とあるべき姿から優先順位を決め、顧客とPDCAを回すことで、事業を前に進めるための組織づくりを支えます。
- 【戦略と営業現場をつなぐ一貫した支援】:営業戦略の設計、育成プログラムの策定、商談への同行に加え、インサイドセールスやフィールドセールスの実務にも対応します。拠点立ち上げや営業組織のマネジメントで培った知見をもとに、組織としての成果を再現性高く生み出す取り組みを支援します。
- 【人と資金の両面から成長・拡大期に対応】:組織コーチングから求人広告・採用代行・営業支援へ進む場合も、ファイナンスやアライアンスの相談から組織面へ広がる場合もあります。取材では数十人から1,000人弱の企業への支援が紹介され、企業の課題や成長段階に合わせて、複数の領域をつなげて支援する考え方が語られました。
インタビュー動画はこちら:https://www.youtube.com/watch?v=YpYZcYeFbhA