人事BPOおすすめ8社を比較|委託できる業務と選び方を解説
2026年10月01日
給与計算や勤怠管理、年末調整などの定型業務に追われ、制度設計や人材育成といった本来注力したい仕事へ時間を割けない企業は少なくありません。人事BPOを活用すると、日常業務の運用だけでなく、業務の標準化やシステム整備まで外部の専門会社へ任せられます。
本記事では、人事BPOで委託できる業務、おすすめの8社、選定時の比較軸、費用、導入手順を解説します。自社の課題と委託範囲を整理し、候補を絞り込む際にお役立てください。
人事BPOとは
人事BPOは、人事部門の業務プロセスを外部の専門会社へ移管し、継続的に運営してもらうサービスです。単発の事務作業だけでなく、業務設計、マニュアル化、システム運用、品質管理、改善まで含めて任せられる点に特徴があります。
人事BPOで委託できる主な業務
委託対象には、給与・賞与計算、勤怠集計、年末調整、入退社に伴う人事情報の更新、社会保険手続きの補助、福利厚生窓口などがあります。会社によっては、採用事務、研修運営、人事データ管理、従業員からの問い合わせ対応も委託可能です。
ただし、社会保険労務士の独占業務に当たる手続きは、提携する社労士法人が担当する場合があります。どの業務を受託会社が実施し、どこから社内承認や専門家対応が必要になるかを事前に確認することが重要です。
人事アウトソーシング・派遣との違い
人事アウトソーシングは外部委託全般を指し、BPOもその一種です。一般にBPOは、個別作業の代行にとどまらず、業務の設計や標準化、運用管理、継続的な改善までを一体で任せる形態を指します。
人材派遣では、派遣先企業がスタッフへ指揮命令します。一方、業務委託では受託会社が業務の進め方や人員配置を管理します。必要な人手を補いたいのか、業務そのものを移管したいのかによって、適する契約形態は変わります。
人事BPOおすすめ8社を比較
人事BPO会社は、給与・労務の大量処理に強い会社、クラウドシステムと運用を一体で提供する会社、人事機能の再設計まで支援する会社などに分かれます。以下では、公式情報から人事領域のBPO提供を確認できた8社を比較します。
| サービス・会社名 | 主な対応領域 | 特徴 |
|---|---|---|
| パソナ | 給与・賞与、社会保険、勤怠 | 中小企業から1万人規模、既存システム活用・刷新 |
| パーソルビジネスプロセスデザイン | 採用・労務・育成・人材戦略 | 人事コンサルと運用、リスキリングを一体提供 |
| ラクラス | 給与、勤怠、人事管理、ワークフロー | クラウドと運用を組み合わせたフルアウトソーシング |
| ペイロール | 給与・賞与、年末調整、福利厚生窓口 | 大規模・複雑な給与業務に対応 |
| 三菱総研DCS PROSRV | 給与全般、年末調整、地方税年度更新 | スポット事務から段階的に委託可能 |
| シーエーシー CHRs | 人事、給与、勤怠、福利厚生 | 現行システム活用型とBPaaSを選択可能 |
| キヤノンMJグループ | 人事労務、業務改善・DX | 15年以上の提供実績、運用改善も支援 |
| ビーウィズ | 給与、社保、勤怠、採用・研修事務 | 業務棚卸しからワンチームで対応 |
パソナの人事・労務BPO
出典:パソナの人事・労務BPO
| サービス名 | パソナの人事・労務BPO |
| 運営会社 | 株式会社パソナ |
| 主な対応業務 | 給与・賞与計算、社会保険、勤怠管理など |
| 料金 | 要問い合わせ |
パソナは、給与・賞与計算、社会保険、勤怠管理などの人事労務業務を一括で受託しています。現行システムの運用に加え、COMPANYや奉行クラウドなどの導入・統合・刷新にも対応しています。
中小企業から1万人規模までの受託実績があり、チーム派遣を含むオンサイトとオフサイトの体制を選べる点も特徴です。業務調査、設計、マニュアル整備、並行稼働、本運営後の改善まで段階的に進めるため、複数業務をまとめて移管したい企業にも適しています。
筆者・監修者のおすすめポイント
幅広い従業員規模と複数の人事システムへの対応が公式に示されています。現行環境を活かした委託とシステム刷新の双方を比較しながら、給与・勤怠・社会保険をまとめて外部化したい企業の候補になります。
パーソルの人事BPO
出典:パーソルの人事BPO
| サービス名 | パーソルの人事BPO |
| 運営会社 | パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社 |
| 主な対応業務 | 採用、労務、育成、人材戦略・企画など |
| 料金 | 要問い合わせ |
パーソルビジネスプロセスデザインは、人事コンサルティング、BPO、リスキリングを組み合わせた人事BPOを提供しています。採用、労務、育成、人材戦略、企画まで対象とし、人事機能の再設計と運用基盤の構築を支援します。
定型作業の代行だけでなく、経営・人材戦略の検討から業務改善、実際の運営までを一貫して扱う点が特徴です。人的資本経営を進めたいものの、日常業務に追われて実行へ移せない企業が、戦略と実務を同時に見直す場合に適しています。
筆者・監修者のおすすめポイント
戦略人事の構想と日々の運用を分断せず、人事機能全体を再設計したい企業に向きます。単なる工数削減ではなく、人事部門の役割や必要なスキルまで見直したい場合に比較しやすいサービスです。
ラクラス人事BPOサービス
| サービス名 | ラクラス人事BPOサービス |
| 運営会社 | ラクラス株式会社 |
| 主な対応業務 | 給与、勤怠、人事管理、ワークフローなど |
| 料金 | 要問い合わせ |
ラクラスは、自社のクラウドシステムとオペレーションを組み合わせたフルアウトソーシング型の人事BPOを提供しています。給与計算、勤怠管理、人事管理、ワークフローなどの手続きをクラウド上へ統合し、標準化された運用フローで処理します。
標準サービスから外れる業務についても、アドオン開発や追加業務として相談できます。紙や個別システムに分散した人事手続きを集約し、業務の属人化と手作業を同時に減らしたい企業に適した選択肢です。
筆者・監修者のおすすめポイント
システムとBPOを一体で導入し、給与・勤怠・年末調整などの運用を標準化したい企業に向きます。既存の複雑な手順をそのまま外部へ移すのではなく、クラウドを前提に業務を整理したい場合に有力です。
給与計算アウトソーシングのペイロール
| サービス名 | 給与計算アウトソーシング |
| 運営会社 | 株式会社ペイロール |
| 主な対応業務 | 給与・賞与、年末調整補助、地方税、福利厚生窓口など |
| 料金 | 要問い合わせ |
ペイロールは、給与・賞与計算を中心に、年末調整補助、地方税特別徴収補助、マイナンバー管理、福利厚生窓口、データ連携などを提供しています。公式サイトでは279社、123万人超の受託実績を掲げています。
店舗や拠点が多い企業、雇用形態や給与制度が複雑な企業、グループ再編や急成長によって給与業務の負荷が増えた企業など、大規模で複雑な処理を想定したサービスです。給与周辺の従業員窓口やシステム連携までまとめて検討できます。
筆者・監修者のおすすめポイント
給与計算を中心に、大人数・多拠点・複雑な制度を安定運用したい企業の候補です。給与周辺の窓口やデータ連携も含め、社内に残す業務を減らしたい場合に比較価値があります。
人事給与アウトソーシングサービス PROSRV
| サービス名 | PROSRV |
| 運営会社 | 三菱総研DCS株式会社 |
| 主な対応業務 | 給与全般、年末調整、地方税年度更新など |
| 料金 | 要問い合わせ |
三菱総研DCSのPROSRVは、クラウド型人事給与システムを基盤に、給与全般の業務をアウトソーシングできるサービスです。年末調整や地方税年度更新など、特定時期に負荷が集中する業務だけを切り出すスポット事務にも対応しています。
一部業務から始めて段階的に対象を広げられるため、最初から全面移管することに不安がある企業にも適しています。システムとBPOを組み合わせ、人事給与業務全体の効率化を進めたい場合に検討しやすいサービスです。
筆者・監修者のおすすめポイント
年末調整など繁忙期の業務だけを外部化し、その効果を確かめながら委託範囲を広げたい企業に向きます。クラウド型人事給与システムも含めて運用を整えたい場合にも候補になります。
人事給与ソリューション CHRs
| サービス名 | CHRs |
| 運営会社 | 株式会社シーエーシー |
| 主な対応業務 | 人事、給与、勤怠、福利厚生、システム保守など |
| 料金 | 要問い合わせ |
シーエーシーのCHRsは、人事給与BPaaSのWorkSync、現行システムを活用する人事給与BPO、パッケージ保守から構成されるソリューションです。人事・給与・勤怠・福利厚生のほか、総務や請求処理なども対象にできます。
公式サイトによると、2000年から人事・給与BPOを提供し、2025年4月時点で約110社・9万7,000人へサービスを提供しています。現行の業務プロセスを活かしたオーダーメイド型と、クラウド基盤を含む標準型を選べる点が特徴です。
筆者・監修者のおすすめポイント
現行システムや独自ルールを残した移管と、クラウドを含む刷新の両方を比較できます。複数のグループ会社を含む大規模運用や、人事システム保守まで一体で任せたい企業に適しています。
キヤノンMJグループの人事労務アウトソーシング
| サービス名 | 人事労務アウトソーシング |
| 運営会社 | キヤノンマーケティングジャパン株式会社、株式会社キュービーファイブ |
| 主な対応業務 | 人事労務の定型業務、業務改善、DX支援 |
| 料金 | 要問い合わせ |
キヤノンマーケティングジャパングループは、人事労務業務のアウトソーシングを15年以上にわたり提供しています。定型業務の運用に加えて、業務プロセスの可視化や改善、デジタル技術を活用した効率化まで支援します。
人事部門が定型作業から離れ、企画や人材施策へ時間を振り向けられる体制づくりを重視しています。既存業務をそのまま移管するだけでなく、運用方法も見直したい中堅・大手企業に適したサービスです。
筆者・監修者のおすすめポイント
長期の人事労務アウトソーシング提供実績を確認でき、運用と業務改善を一緒に進めたい企業の候補になります。デジタル活用を含めて定型業務を見直し、人事担当者を企画業務へ移したい場合に向きます。
ビーウィズの人事BPO
出典:ビーウィズの人事BPO
| サービス名 | 人事BPO |
| 運営会社 | ビーウィズ株式会社 |
| 主な対応業務 | 給与、社会保険、勤怠、採用・研修事務など |
| 料金 | 要問い合わせ |
ビーウィズは、給与計算、社会保険処理、勤怠管理などの労務業務に加え、採用や研修に関する人事業務も受託しています。企業固有の業務を含むノンコア業務をワンチームで担い、業務の棚卸し、マニュアル作成、運営設計から対応します。
現行のルールやシステムを活用する方法と、業務プロセスの標準化やルール再設計、システム導入を伴う方法の両方を相談できます。委託範囲が広く、部門内に複数の課題を抱える企業に適しています。
筆者・監修者のおすすめポイント
給与・労務だけでなく採用・研修事務も含め、部門横断的に業務を整理したい企業に向きます。個社ルールを残すか標準化するか決まっておらず、業務棚卸しから相談したい場合にも比較しやすいサービスです。
人事BPO会社の選び方
人事BPOは、一度移管すると日々の従業員対応や給与支給を支える重要な運用基盤になります。対応業務の多さだけで判断せず、自社の規模や制度、システム、リスク管理に合うかを同じ条件で比較する必要があります。
委託したい業務範囲と責任分界を確認する
最初に、給与計算だけを任せるのか、勤怠、年末調整、人事情報管理、従業員窓口まで含めるのかを整理します。業務名が同じでも、データ収集、計算、チェック、承認、従業員への回答のどこまで含むかは会社ごとに異なります。
社会保険手続きなどで提携先が関与する場合は、再委託先と責任の所在も確認が必要です。例外処理や最終承認が社内に残ることを見落とすと、想定した工数削減につながらず、追加料金や対応遅延の原因になります。
自社の従業員規模・雇用形態・拠点数に合うか確認する
処理の難しさは従業員数だけで決まりません。正社員、パート、海外勤務者など雇用形態が多い場合や、複数法人・拠点で締日や給与体系が異なる場合は、例外処理が増えます。
自社と近い規模や業種の受託実績、繁忙期の処理能力、グループ会社への対応可否を確認します。同程度の複雑さを持つ案件の移管経験があれば、要件定義で見落としが起こるリスクを抑えやすくなります。
既存システムとの連携・移行方針を確認する
現在の勤怠、給与、人事データベースを継続利用するか、BPO会社が用意するクラウドへ切り替えるかで、導入期間と費用は大きく変わります。現行システムを残す場合は、データ形式やAPI、受け渡し方法、保守の分担を確認します。
切り替える場合は、過去データの移行範囲、周辺システムとの連携、並行稼働の期間が重要です。法改正や制度改定の際に、設定変更を誰が行うかまで確認すると、運用開始後の追加負担を判断しやすくなります。
セキュリティと事業継続体制を確認する
人事BPOでは、個人番号、給与、家族情報、評価など機微性の高い情報を扱います。アクセス権限、操作ログ、データの保管場所と期間、委託先の従業員教育、再委託先の管理方法を確認する必要があります。
認証の取得状況だけでなく、災害やシステム障害時の代替拠点、バックアップ、事故発生時の連絡と復旧手順も確認します。給与支給など停止できない業務では、復旧目標と社内の代替手順まで合意しておくことが重要です。
運用改善とレポーティングの仕組みを確認する
BPOの効果を継続させるには、処理件数だけでなく、締め切り順守率、差戻し率、問い合わせ件数、修正件数などを定期的に確認する仕組みが必要です。定例会の頻度、レポート内容、改善提案が基本料金に含まれるかを確認します。
業務を移管した後も例外や制度変更は発生します。数値を基に原因を特定し、マニュアルやシステム設定を更新できる会社なら、単純な外部化に終わらず、品質と効率を改善しやすくなります。
人事BPOの費用を比較するポイント
人事BPOの料金は、対象業務、従業員数、月間件数、個別ルールの多さ、導入設計、利用システムによって変わります。公式サイトで一律料金を公開していない会社も多いため、前提条件をそろえた見積もり比較が欠かせません。
初期費用と月額・従量料金を分けて確認する
導入時には、業務調査、要件定義、マニュアル作成、データ移行、システム設定、テスト、並行稼働などの費用が発生します。運用開始後は、基本料金に従業員単価や処理件数単価を加える料金体系が一般的です。
見積もりでは、初期費用と運用費用を分け、何が基本料金に含まれるかを確認します。従業員増減や問い合わせ件数の変化も想定して年間総額を試算すると、価格差の理由を判断しやすくなります。
例外対応・繁忙期・契約変更の追加費用を確認する
年末調整、算定基礎、組織改編、遡及計算、大量採用などは通常月と作業量が異なり、追加料金の対象になる場合があります。個別の帳票、緊急処理、従業員への電話対応も、契約範囲を確認すべき項目です。
最低利用期間、業務の追加・縮小、解約時のデータ返却や後任会社への引継ぎ費用も比較します。月額料金が安くても、変更や例外対応が多い企業では総額が膨らむため、自社の年間イベントを見積条件へ反映することが重要です。
人事BPOを導入する流れ
人事BPOは契約後すぐに全面移管できるとは限りません。正確性を保ちながら業務を切り替えるには、現状把握、要件定義、引継ぎ、並行稼働、安定化という段階を踏む必要があります。
業務を棚卸しして委託範囲を決める
業務一覧、年間スケジュール、処理件数、例外パターン、担当者、利用システム、承認者を整理します。マニュアルがない業務は、担当者へのヒアリングや作業記録から実態を可視化します。
目的が人手不足の解消なのか、標準化やシステム刷新なのかによって、適切な委託範囲は異なります。定型業務から段階的に始める方法と、複数業務をまとめて移管する方法を、社内の移管対応力も踏まえて選びます。
要件定義・引継ぎ・並行稼働を行う
委託範囲が決まったら、役割分担、SLA、データ連携、問い合わせ経路、承認ルール、例外時の対応を定義します。受託会社は現行手順を基にマニュアルを整備し、テストデータで処理結果を確認します。
給与計算のように停止できない業務は、一定期間、社内処理とBPO会社の処理を並行して結果を照合します。差異の原因を解消し、締め日や承認の運用が安定したことを確認してから本番へ切り替えます。
本稼働後に品質と委託範囲を見直す
本稼働後は、処理時間、誤り、差戻し、問い合わせ、期限順守を定期的に確認します。移管前に想定できなかった例外や、社内側に残った承認待ちがボトルネックになることもあります。
定例会で原因と対策を共有し、マニュアル、入力ルール、システム設定を更新します。運用が安定した後に委託範囲を広げる場合も、費用と責任分界を再確認することで、品質を保ったまま段階的に外部化できます。
人事BPO会社選びでお悩みならプロベルへご相談ください
人事BPO会社は、給与・勤怠に特化する会社、クラウドシステムと運用を一体で提供する会社、人事機能の再設計まで扱う会社など、得意領域が異なります。まず、自社の従業員規模、雇用形態、委託したい業務、既存システム、セキュリティ要件を整理することが重要です。
例えば、年末調整だけを外部化したい企業と、給与・勤怠・従業員窓口をまとめて移管したい企業では、必要な体制が異なります。料金の安さだけで決めず、導入設計、例外処理、繁忙期対応、改善提案、解約・引継ぎまで同じ条件で比較すると、運用開始後の認識違いを減らせます。
比較する際は、以下の点を確認してください。
- 委託対象と社内に残る承認・責任が明確か
- 自社と近い従業員規模、雇用形態、制度の運用実績があるか
- 現行システムの継続利用または移行に対応できるか
- 機微情報の管理と障害・災害時の継続体制が十分か
- 初期費用、月額料金、繁忙期・例外対応を含む年間総額が明確か
人事BPOの導入だけで、人事部門の課題がすべて解決するとは限りません。社内承認が遅い、入力ルールが統一されていない、例外処理が多いといった課題は、移管と並行して見直す必要があります。
どの会社が自社に合うか判断しにくい場合は、希望する支援範囲と条件を整理したうえで、複数社を比較することが大切です。人事BPO会社選びでお悩みの際は、プロベルへご相談ください。