基幹システム開発会社おすすめ8選|比較ポイントや費用の見方を解説
2026年10月03日
販売・在庫・会計・人事・生産などを支える基幹システムは、企業活動を止めないための重要な土台です。一方、開発会社ごとに、フルスクラッチ開発、ERPパッケージの導入・カスタマイズ、既存システムの刷新、オフショアを活用した継続開発など、得意な進め方は異なります。
自社に合う会社を選ぶには、知名度や見積金額だけでなく、対象業務への理解、既存データの移行・外部連携、可用性やセキュリティなどの非機能要件、稼働後の保守体制まで同じ条件で比較することが重要です。本記事では、基幹システム開発を相談できる8社の特徴と、選定・見積もり・発注の実務ポイントを整理します。
※本記事は当社独自の基準に基づき作成・編集しており、【プロベルおすすめ】と記載があるものは、プロベル有料掲載社のプロモーションが含まれます。
基幹システム開発会社おすすめ8選
ここでは、基幹システムの新規構築・刷新・ERP導入を相談できる8社を紹介します。会社名だけでなく、どの開発方式や案件規模に向くかを確認し、自社の対象業務と既存環境に近い候補から比較すると選びやすくなります。
| 会社名 | 主な特徴 | 比較候補にしやすい企業 |
|---|---|---|
| 株式会社SP【プロベルおすすめ】 | 基幹領域の改修・フルリプレイスと大規模開発 | 既存資産を生かしながら段階的に刷新したい企業 |
| 株式会社ハイブリッドテクノロジーズ【プロベルおすすめ】 | 国内PMとベトナム開発拠点を組み合わせた受託・ラボ型開発 | 継続的な改善や開発体制の拡張を重視する企業 |
| FutureOne株式会社 | 業種別テンプレートを備えたInfiniOne ERP | 製造・卸売・商社などで標準機能と個別要件を両立したい企業 |
| 株式会社システムインテグレータ | 国産Web-ERP GRANDITの導入・連携 | 販売・在庫・会計などを統合し段階導入も検討したい企業 |
| SCSK株式会社 | PROACTIVEやSAPを含む大規模ERP・業種別ソリューション | 複数部門・拠点をまたぐ全社基盤を整備したい企業 |
| 株式会社NTTデータ | SAPと国産ERP Biz∫を軸に構想から保守まで支援 | 大企業・グループ企業で複雑な要件や統制に対応したい企業 |
| 大京システム開発株式会社 | 標準システムを基に構築するFlexiと独立系SIerの支援 | スクラッチ一辺倒を避けつつ周辺連携を作り込みたい企業 |
| シースリーインデックス株式会社 | 要件定義からインフラ・運用保守まで社内完結 | 中堅規模で既存システム刷新を伴走型で進めたい企業 |
株式会社SP【プロベルおすすめ】
出典:株式会社SP 受発注・配送管理システムのフルリプレイス事例
| 会社名 | 株式会社SP |
| 本社所在地 | 東京都新宿区 |
| 設立 | 2015年4月 |
| 主な関連領域 | 受発注・在庫・配送管理、業務システム、基幹システム改修 |
| 支援範囲 | 企画・設計、実装、クラウド移行、運用保守 |
株式会社SPは、DXコンサルティングとシステム開発を提供するシステムインテグレーターです。公式事例では、酒類・飲料ECを展開する企業に対し、ECサイトのUI/UX改善から受発注・配送管理システムのフルリプレイスまで支援し、設計・実装・運用保守を担当しています。プロベルのプロフィールでも、在庫管理やWMSなどの基幹領域、基幹システム改修、レガシーシステムのWeb対応に取り組むことが確認できます。
特定製品の導入だけに限定せず、既存製品との相性や運用方法を踏まえて構成を検討できる点が特徴です。大規模案件やクラウド移行、国内開発とオフショアを組み合わせた体制にも対応しているため、現行資産を一度に捨てず、影響範囲を見極めながら刷新したい場合に相談しやすいでしょう。
筆者・監修者のおすすめポイント
受発注・在庫・配送など複数業務をまたぐフルリプレイス事例があるため、業務フロー全体を見直しながら基幹領域を刷新したい企業に向きます。既存製品やクラウドを組み合わせる前提で相談したい場合も比較候補になります。
株式会社ハイブリッドテクノロジーズ【プロベルおすすめ】
出典:株式会社ハイブリッドテクノロジーズ 基幹システム刷新・改善支援
| 会社名 | 株式会社ハイブリッドテクノロジーズ |
| 本社所在地 | 東京都中野区 |
| 設立 | 2016年4月 |
| 主な関連領域 | ERP、販売・在庫、生産・製造、CRM、基幹システム刷新 |
| 支援範囲 | 構想・要件定義、受託/ラボ型開発、保守・運用・継続開発 |
株式会社ハイブリッドテクノロジーズは、日本のPM・SEとベトナムの開発拠点を組み合わせた開発体制を持つ会社です。公式サイトでは、販売・在庫管理、生産・製造管理、ERP、財務会計、人事・給与などの基幹業務を対象に、要件定義から受託開発、保守・運用・継続開発まで提供しています。現行システムの複雑化やブラックボックス化を踏まえ、将来の事業成長と外部連携を見据えた刷新を提案しています。
仕様が比較的固まった案件は受託型、機能追加や変更が続く案件はラボ型と、案件の性質に応じて契約・開発体制を選べる点も特徴です。SAP導入支援を担うグループ会社もあり、スクラッチ開発だけでなくERPを含む選択肢を検討できます。
開発量が大きく、リリース後も一定のチームで改善を続けたい企業に適しています。オフショア活用では、窓口、品質管理、仕様変更時の責任分界、引き継ぎ方法まで具体的に確認すると、体制の特徴をより正確に比較できます。
筆者・監修者のおすすめポイント
国内の上流支援とベトナムの開発リソースを組み合わせられるため、基幹システムを段階的に刷新し、稼働後も継続開発を行いたい企業に適しています。受託型とラボ型を案件の確定度に合わせて選びたい場合に有力です。
FutureOne株式会社
| 会社名 | FutureOne株式会社 |
| 本社所在地 | 東京都品川区 |
| 設立 | 2002年10月 |
| 主な関連領域 | 販売・購買・在庫・生産・原価・会計を扱うInfiniOne ERP |
| 支援範囲 | ITコンサルティング、導入・個別カスタマイズ、インフラ、運用支援 |
FutureOne株式会社は、ERP・基幹業務システムの開発、販売、導入を行う会社です。主力のInfiniOne ERPは、販売・生産・会計管理をつなぐ標準機能に加え、食品、製造、卸売、小売、商社、工事業などの業種別テンプレートを備えています。基盤であるInfiniOne Coreで構築された基幹業務システムは6,000社以上への導入実績が公表されています。
パッケージの標準機能を起点にしつつ、企業固有の業務に合わせた個別カスタマイズや追加開発が可能です。RFP作成・PM・CIO支援、クラウドやネットワークの構築、導入後の運用支援も提供しているため、業種固有の要件を残しながら保守性を確保したい企業に向きます。
筆者・監修者のおすすめポイント
販売・生産・会計を一体で整備し、業種別テンプレートと個別カスタマイズを両立したい企業に向きます。ゼロからのスクラッチより標準機能を活用しつつ、自社特有の運用も残したい場合に比較しやすい会社です。
株式会社システムインテグレータ
| 会社名 | 株式会社システムインテグレータ |
| 本社所在地 | 埼玉県さいたま市 |
| 設立 | 1995年3月 |
| 主な関連領域 | 販売・調達・在庫・製造・会計・人事給与を統合するGRANDIT |
| 支援範囲 | 業務設計、ERP導入、アドオン・外部連携、クラウド運用 |
株式会社システムインテグレータは、国産Web-ERP「GRANDIT」の導入・システムインテグレーションを提供しています。GRANDITは、販売、調達・在庫、製造、債権・債務、経理、経費、資産、人事・給与などの基幹業務を統合し、ワークフロー、BI、BtoB EC、外部システム連携なども組み合わせられます。
製造業、商社・卸売業、工事業、プロジェクト型ビジネス向けのテンプレートやアドオンがあり、一括導入だけでなく部分・段階導入にも対応しています。ERPの標準化を軸にしつつ、業種固有の原価・在庫・案件管理や周辺システム連携を設計したい企業に適しています。
筆者・監修者のおすすめポイント
販売・在庫・会計などを一つのERPに統合し、業種別テンプレートや段階導入を活用したい企業に向きます。スクラッチ開発を減らしながら、周辺システムとの連携や必要なアドオンで業務適合を図りたい場合に有力です。
SCSK株式会社
| 会社名 | SCSK株式会社 |
| 本社所在地 | 東京都江東区 |
| 設立 | 1969年10月 |
| 主な関連領域 | PROACTIVE、SAP、会計・販売・生産・人事、業種別基幹システム |
| 支援範囲 | コンサルティング、導入・開発、インフラ、運用・保守 |
SCSK株式会社は、ERPや業種別基幹システムを含む幅広いITサービスを提供しています。PROACTIVEでは会計、販売、生産、人事の業務機能を扱い、製造業向け業務システムや建設工事業向け基幹業務管理などの業界特化型サービスも展開しています。SAP S/4HANAの新規導入・バージョンアップやデータ活用も相談できます。
複数製品と業務知見を組み合わせられるため、全社・グループ共通基盤を整備したい企業や、標準化と業種固有要件を両立したい大規模案件に向きます。候補にする際は、採用する製品、標準機能に業務を合わせる範囲、個別開発する範囲、将来のアップデート方針を提案段階で明確にするとよいでしょう。
筆者・監修者のおすすめポイント
ERP、製造、建設など複数の基幹ソリューションと大規模な運用体制を比較したい企業に適しています。全社標準化、複数拠点展開、長期保守を前提に、製品選定から相談したい場合に候補となります。
株式会社NTTデータ
| 会社名 | 株式会社NTTデータ |
| 本社所在地 | 東京都江東区 |
| 設立 | 2022年11月 |
| 主な関連領域 | SAP、国産ERP Biz∫、会計・販売・購買・人事 |
| 支援範囲 | 構想策定、ERP導入・開発、業界テンプレート、保守 |
株式会社NTTデータは、SAPと国産ERP「Biz∫」を中核に、基幹システムの構想策定から導入、保守まで支援しています。Biz∫は会計・販売・購買・人事などの基幹業務アプリケーションを備え、業界別テンプレートや周辺ソリューションと組み合わせて利用できます。公式情報では、主に年商500億円以上の大企業向けERPとして案内されています。
複雑な組織・権限、グループ会計、既存システムとの統合など、大企業固有の条件を含む案件で比較しやすい会社です。プロジェクト規模が大きくなりやすいため、対象範囲を段階分けし、標準化する業務と競争力の源泉として残す個別業務を区別して提案を受けることが重要です。
筆者・監修者のおすすめポイント
大企業・企業グループで、会計や販売を含む全社基盤を刷新し、複雑な統制やシステム連携まで扱いたい場合に向きます。SAPと国産ERPの双方を含め、長期的な基盤構想から検討したい企業に適しています。
大京システム開発株式会社
| 会社名 | 大京システム開発株式会社 |
| 本社所在地 | 大阪府大阪市 |
| 設立 | 1989年6月 |
| 主な関連領域 | 基幹・業務システム構築ソリューション Flexi |
| 支援範囲 | 要件整理、標準機能ベースの構築、周辺連携、保守 |
大京システム開発株式会社は、基幹・業務システム構築ソリューション「Flexi」を提供する独立系SIerです。Flexiは標準システムをベースに、個社の業務に合わせて必要な機能や帳票を組み合わせる考え方で、周辺システムや取引先とのデータ連携にも対応しています。
フルスクラッチでは費用・期間・保守負担が大きい一方、既製パッケージをそのまま使うと業務に合わないという企業に適した選択肢です。検討時は、標準機能で対応する範囲、個別開発部分、将来の制度改正やバージョンアップ時に個別部分をどう保守するかを確認すると比較しやすくなります。
筆者・監修者のおすすめポイント
標準システムを土台にしながら、周辺連携や自社固有の帳票・処理を組み込みたい企業に向きます。スクラッチ開発の負担と、パッケージへの過度な業務変更の中間案を探している場合に検討しやすい会社です。
シースリーインデックス株式会社
| 会社名 | シースリーインデックス株式会社 |
| 本社所在地 | 愛知県名古屋市 |
| 設立 | 2008年4月 |
| 主な関連領域 | 基幹システム刷新、連携業務システム、クラウド移行 |
| 支援範囲 | ITコンサル、要件定義、開発、インフラ、保守運用 |
シースリーインデックス株式会社は、独立系システムインテグレーターとして、ITコンサルティング、要件定義、設計、開発、導入、インフラ構築、保守運用を提供しています。公式サイトでは、基幹システム刷新プロジェクトと連携業務システムの開発を掲げており、AWSの導入・運用支援にも対応しています。
要件定義から運用までを社内で一気通貫に進める体制を示しているため、発注側に専任のIT人材が少なく、現行業務の整理から伴走を求める中堅企業に向きます。比較時には、自社業界に近い基幹案件の実績、移行対象データの量、繁忙期を避けた切り替え計画、保守窓口の対応時間を確認するとよいでしょう。
筆者・監修者のおすすめポイント
要件定義からインフラ・保守まで窓口をまとめ、既存基幹システムと周辺業務を一緒に見直したい企業に適しています。特に、社内の情報システム体制が限られ、現状整理から伴走してほしい場合に比較候補になります。
基幹システム開発会社の選び方
基幹システムは、機能が似ていても業種・企業規模・既存環境によって難所が変わります。候補会社の実績を眺めるだけでなく、自社案件に必要な能力を分解し、同じ質問で比較することが重要です。
対象業務と業界の実績を確認する
販売管理、生産管理、会計、人事などは同じ基幹システムでも、業務ルールや繁忙期、求められる処理量が異なります。例えば製造業では、受注から生産計画、部材所要量、工程、原価、品質までデータがつながるため、単なる在庫管理の経験だけでは判断できません。候補会社には、自社と近い業種・業務範囲の事例、担当した工程、標準機能と個別開発の境界を確認します。
実績の社数だけでなく、現場ヒアリングで例外処理まで把握できるか、業務用語を理解した上で改善案を示せるかも重要です。業界経験が浅い場合でも、業務分析の方法や有識者のアサイン計画が具体的なら候補になります。反対に、機能一覧だけで見積もりを急ぐ会社は、要件定義後の追加費用や手戻りが増える可能性があります。
パッケージ活用とスクラッチ開発の適合性を比べる
ERPパッケージは、会計・販売・在庫などの標準業務を早く安定して導入しやすい一方、独自業務を大量にカスタマイズすると、将来のアップデートや保守が複雑になります。フルスクラッチは自社業務への適合度を高めやすいものの、設計・テスト・保守の責任範囲が広く、長期的な開発体制が必要です。
選定では、どちらが優れているかではなく、競争力に直結する独自業務と標準化できる共通業務を切り分けます。パッケージを核に周辺だけ個別開発する、老朽化した領域から段階的に置き換えるなど、複数案の費用・期間・将来保守を比較できる会社ほど判断材料を得やすくなります。
データ移行と既存システム連携の支援力を見る
基幹システム刷新では、新機能の開発よりも、旧システムのデータ品質や外部連携が難所になることがあります。顧客・商品・取引先などのマスタに重複や表記揺れがあると、移行後の集計や請求に影響します。会計、EC、倉庫、EDI、BIなど周辺システムとの接続方式が不明確な場合も、切り替え直前に問題が表面化しやすくなります。
候補会社には、データ調査・クレンジング・変換・リハーサル・照合の担当範囲、APIやファイル連携の設計、移行失敗時の切り戻し計画を確認します。移行対象を『必要な履歴だけ』『参照用アーカイブ』『新システムへ投入』に分けて提案できるかも、費用とリスクを両立する判断材料です。
可用性・性能・セキュリティを数値で確認する
基幹システムでは、画面や帳票の機能だけでなく、止まりにくさ、応答速度、バックアップ、災害復旧、権限、監査ログなどの非機能要件が事業継続に直結します。IPAの非機能要求グレードは、可用性、性能・拡張性、運用・保守性、移行性、セキュリティなどを発注者と開発者が共通認識にするための項目を整理しています。
提案比較では、『高可用性』『安全』という表現だけでなく、想定同時利用者数、繁忙時の処理量、復旧目標時間、バックアップ間隔、監視時間、脆弱性対応の期限などを数値・条件で確認します。要件が高いほど費用も増えるため、すべてを最高水準にせず、業務停止の影響に応じて優先順位を付けることが重要です。
保守運用と内製化支援まで比較する
基幹システムは稼働後も、制度改正、組織変更、商品追加、外部サービス変更への対応が続きます。保守契約の範囲が障害対応だけなのか、小規模改修や改善提案まで含むのかによって、運用負担と年間費用は変わります。問い合わせ窓口、対応時間、重要度ごとの初動、担当者変更時の引き継ぎ方法を確認します。
ベンダー依存を抑えたい場合は、設計書・ソースコード・テスト仕様・運用手順の納品範囲、技術移管、社内担当者への教育も比較対象です。経済産業省のレガシーシステムモダン化に関する報告でも、IT資産の可視化やユーザー企業の自律性、事業部門との連携が重要とされています。将来の改修を自社で判断できる状態まで支援する会社かを見極める必要があります。
基幹システム開発の費用を比較するポイント
基幹システムの費用は、名称や機能数だけでは決まりません。対象部門、利用者数、処理量、開発方式、データ移行、外部連携、非機能要件、保守期間によって大きく変わるため、総額だけを並べると条件の違う見積もりを比べることになります。
見積もりの対象範囲をそろえる
同じ『基幹システム開発』でも、ある会社は要件定義から本番移行までを含み、別の会社は実装と単体テストだけを含む場合があります。まず、現状分析、要件定義、設計、開発、テスト、データ移行、教育、稼働支援、保守を工程ごとに分け、成果物と責任範囲をそろえて比較します。
特に、仕様が未確定な部分を固定価格に含めるのか、調査後に再見積もりするのかは重要です。前提条件、除外事項、変更管理の方法を見積書へ明記してもらうと、初期金額が安く見えても後から追加費用が増える提案を見分けやすくなります。
移行・テスト・教育・保守を含む総費用で考える
本番稼働までには、旧データの調査とクレンジング、移行リハーサル、他システムとの結合テスト、利用部門による受入テスト、操作マニュアル、研修、並行稼働などが必要です。これらが別費用なら、開発本体が安くてもプロジェクト全体の負担は大きくなります。
稼働後は、クラウド利用料、ライセンス、監視、問い合わせ対応、法改正対応、追加開発の単価も発生します。3〜5年程度の想定で初期費用と運用費を整理し、利用者やデータ量が増えた場合の料金変動も確認すると、実際の総保有コストを比較しやすくなります。
安さだけでなく変更しやすさと保守性を評価する
初期費用を抑えるために仕様書やテストを簡略化すると、稼働後の障害解析や担当者交代時にコストが増えることがあります。反対に、将来使うか分からない機能を最初から盛り込むと、開発期間と保守範囲が広がります。現在必要な範囲を明確にし、将来拡張できる設計かを確認することが大切です。
見積もりでは、追加・変更時の単価、影響調査の方法、テスト自動化、ドキュメント更新、ソースコードの権利、他社への引き継ぎ可否も確認します。価格だけでなく、変更にかかる時間と選択肢の多さを含めて判断すると、長期的な負担を抑えやすくなります。
基幹システム開発を依頼する流れ
基幹システム開発は、発注先を決めてから要件を考えると提案条件がそろいません。業務課題と優先順位を整理した上で複数社へ同じ情報を渡し、提案・見積もり・体制を比較する流れが基本です。
現行業務と刷新目的を整理する
最初に、対象部門、利用者、現行システム、Excelや紙で補っている作業、二重入力、集計遅延、障害などを業務フローに沿って整理します。『新しいシステムに替える』ではなく、月次締めを何日短縮したいか、在庫差異をどこまで減らしたいかなど、業務上の目標を置くと提案の評価軸が明確になります。
すべての問題を一度に解決しようとせず、止められない業務、競争力に直結する業務、標準化できる業務を分けます。現行資産の可視化と現行踏襲の見直しは、レガシー化を繰り返さないためにも重要です。
RFPを作成して複数社へ同条件で相談する
RFPには、背景と目的、対象業務、現行構成、希望機能、データ・連携先、非機能要件、予算、希望時期、提案してほしい事項を記載します。完成度の高い仕様書を自社だけで作る必要はありませんが、会社ごとに異なる前提で相談すると見積もり比較ができないため、分かっていることと未確定事項を区別して共有します。
提案では、採用する方式、標準化と個別開発の境界、移行計画、体制、リスク、成果物、保守条件を確認します。デジタル庁の標準ガイドラインには要件定義書・調達仕様書のテンプレートも含まれており、項目漏れを確認する参考になります。
要件定義と移行計画を具体化する
発注後は、現場・管理部門・経営層の要求を整理し、画面・帳票・データ・権限・例外処理・非機能要件へ落とし込みます。利用者が多い画面は、プロトタイプで操作を確認すると、完成後に『現場で使いにくい』と判明するリスクを減らせます。
同時に、旧データの品質調査、移行対象、変換ルール、外部連携、切り替え日、並行稼働、切り戻しを決めます。業務要件と移行計画を別々に進めず、新旧システム間でどのデータが正本になるかまで定義することが重要です。
段階導入と受入テストを経て運用へ移行する
開発後は、単体・結合・総合テストに加え、実際の利用部門が業務シナリオで確認する受入テストを行います。月末締め、返品、取消、権限変更、障害復旧など、通常時だけでなく例外処理も確認します。利用者教育と問い合わせ体制を整え、切り替え後の混乱に備えます。
全社一斉切り替えの影響が大きい場合は、部門・拠点・機能ごとの段階導入も選択肢です。ただし、新旧二重運用が長引くとデータ不整合が起きやすいため、移行期間と終了条件を決めます。稼働後は業務KPIと障害・問い合わせを追い、追加開発の優先順位を定期的に見直します。
基幹システム開発で失敗を避けるための注意点
基幹システムは既存業務と深く結び付くため、技術面だけでなく、業務改革、データ、利用者への定着を一体で扱う必要があります。発注者側が判断すべき事項まで開発会社へ丸投げしないことが重要です。
現行業務をそのまま再現しない
長年の運用で増えた帳票や承認、手入力をすべて新システムへ移すと、古い非効率まで固定化されます。経済産業省のレガシーシステムモダン化に関する報告でも、現行踏襲を見直し、標準化を検討する必要性が示されています。まず業務の目的を確認し、法令・取引条件・競争力に必要なものと、慣習で残っているものを分けます。
ただし、現場の例外処理を無視して標準化だけを進めると、Excelや手作業が再発します。業務を廃止・統合・標準化・個別化のいずれにするか、影響を受ける部門と合意し、決定理由を要件として残すことが大切です。
データ移行を開発後半まで先送りしない
旧データに重複、欠損、コード体系の違いがあると、変換ルールの策定や部門確認に時間がかかります。移行を終盤の作業と考えると、本番日を動かせない状況で品質を妥協することになりかねません。要件定義段階からデータの量・品質・保持期間を調査し、早い時期に試行移行を行います。
移行結果は件数だけでなく、金額・残高・在庫・履歴の整合性を業務部門が確認します。誰が正誤を判断するか、修正するのは旧側か新側か、移行後に過去データをどこで参照するかを決めておくと、責任の空白を防げます。
利用部門の受入れと運用変更を軽視しない
システムが仕様通りでも、入力ルールや役割分担が変わると現場の負担が一時的に増えます。利用者を要件定義とプロトタイプ確認に参加させ、業務シナリオに基づく受入テストを実施することが重要です。管理者向けと一般利用者向けで研修内容を分け、操作だけでなく変更の目的も説明します。
稼働直後は問い合わせが集中するため、窓口、対応優先度、現場のキーユーザー、開発会社へのエスカレーション経路を決めます。利用率、処理時間、エラー件数などを測定し、教育不足とシステム不備を区別して改善すると、導入効果を定着させやすくなります。
基幹システム開発会社選びでお悩みならプロベルへご相談ください
基幹システム開発会社は、フルスクラッチ、ERP導入、既存システムの段階的刷新など、得意な方式が異なります。例えば、独自の受発注・在庫・配送フローを残したい企業と、会計・販売・購買を標準化してグループ共通基盤にしたい企業では、適した会社も提案内容も変わります。
比較する前に、対象業務、現行システムとデータ、外部連携、業務停止時の影響、予算と希望時期、社内で担当できる範囲を整理しておくことが重要です。見積金額だけで決めず、要件定義、移行、テスト、教育、保守まで同じ範囲で比較すると、稼働後の追加負担を判断しやすくなります。
比較する際は、以下の点を確認してください。
- 自社の業界と対象業務に近い基幹システムの開発・導入実績があるか
- パッケージ、スクラッチ、段階刷新の選択理由を説明できるか
- データ移行と既存システム連携の調査・リハーサルが支援範囲に含まれるか
- 可用性、性能、セキュリティ、災害復旧を具体的な条件で合意できるか
- 稼働後の保守、改善開発、技術移管まで含めた総費用が明確か
どの方式や会社が自社に合うか判断しにくい場合は、候補企業の得意領域と自社条件を整理した上で、複数社を比較することが大切です。基幹システム開発会社選びでお悩みの際は、プロベルへご相談ください。