RAG開発会社おすすめ8選|比較ポイント・費用・導入手順を解説
2026年10月02日
社内規程や製品資料、過去の問い合わせ履歴などを生成AIに参照させたいと考え、RAG(検索拡張生成)の導入を検討する企業が増えています。しかし、RAGは文書を登録してチャット画面を用意すれば完成するものではありません。データの前処理、検索方式、回答精度の評価、閲覧権限、更新運用まで設計しなければ、必要な情報が見つからない、古い文書を根拠に誤答する、権限外の情報が表示されるといった問題が起こります。
本記事では、RAG開発を依頼できる会社8社を比較し、選び方、費用を左右する要素、導入手順を解説します。自社の目的に合う開発会社を絞り込み、相談時に伝えるべき要件を整理するためにお役立てください。
※本記事は当社独自の基準に基づき作成・編集しており、【プロベルおすすめ】と記載があるものは、プロベル有料掲載社のプロモーションが含まれます。
RAG開発とは
RAGは、利用者の質問に関連する情報を社内文書やデータベースから検索し、その情報を大規模言語モデル(LLM)へ渡して回答を生成する仕組みです。LLM単体では把握していない社内固有の情報や、更新頻度の高い情報を回答に反映できます。回答と一緒に参照文書を示す設計にすれば、利用者が根拠を確認しやすくなる点も特徴です。
ただし、RAGを導入してもハルシネーションを完全に防げるわけではありません。検索で適切な情報を取得できなければ、生成部分の性能が高くても正しい回答にはつながりません。RAG開発では、検索と生成を一体で評価し、誤答時に「検索できなかったのか」「文書が不十分だったのか」「回答生成で解釈を誤ったのか」を切り分けられる設計が重要です。
RAGでできること
代表的な用途は、社内規程やマニュアルを対象にしたナレッジ検索、情報システム部門や人事部門への問い合わせ一次対応、製品仕様に基づく顧客対応支援、過去提案書を活用した営業資料作成、技術文書を用いた保守・設計支援などです。単なる検索と違い、複数の情報をまとめて自然文で回答できるため、資料を探して読み比べる時間を短縮できます。
一方、効果が出やすいのは、参照すべき正本があり、質問と正解を評価できる業務です。暗黙知しかない業務や、新旧の文書が混在している業務では、まず資料の整理やFAQ化が必要です。開発会社にはシステム実装だけでなく、どの業務から始めるか、どのデータを正本とするかまで相談できると導入が進めやすくなります。
RAG開発で精度を左右する要素
精度はLLMの種類だけでは決まりません。PDFやWord、表、画像などのデータを正しく読み取れるか、文書をどの単位で分割するか、質問に合う検索方式を選べるか、部署や権限で検索対象を絞れるかが重要です。検索結果を並べ替えるリランキング、文書の属性を使うメタデータ検索、複数の検索方式を組み合わせるハイブリッド検索が必要になる場合もあります。
また、評価用の質問と期待回答を事前に用意し、正答率だけでなく、根拠の妥当性、回答不能時の振る舞い、応答速度、利用コストを測る必要があります。本番稼働後も文書更新や利用者のフィードバックを反映し、精度を継続的に改善する運用が欠かせません。
RAG開発会社を選ぶ5つのポイント
RAG開発会社は、採用するLLMの名称だけでなく、対象データを検索可能な状態へ整え、精度と権限を評価し、本番後も更新できるかで比較する必要があります。ここでは、PoCだけで終わらず業務で使い続けるために、提案前に確認したい5つの判断軸を解説します。
対象データと業務を整理できるか
最初に確認したいのは、技術の提案より前に業務課題と対象データを整理できるかです。「社内検索を作りたい」だけでは、利用部門、質問の種類、正本となる文書、PDF・表・画像などの形式、更新頻度、閲覧権限、期待する回答品質が曖昧です。文書を分割するチャンクの単位や、キーワード検索・ベクトル検索・両者を組み合わせる方式まで、データの特性に応じて説明できるかを確認しましょう。ヒアリングを通じて利用場面を具体化し、RAGが適する業務と、文書整備や別の自動化を先に行うべき業務を切り分けられる会社なら、実用性の低いPoCを避けやすくなります。
PoCから本番運用まで支援できるか
PoCでは少量の整ったデータを使うため、高い精度が出ても本番で再現できないことがあります。実際の文書量、権限、同時利用、更新頻度を想定し、代表質問に対する正答、根拠提示、回答不能時の振る舞い、応答時間などの合格条件を先に決めているか確認してください。本番移行では、認証・権限同期、ログ、監視、バックアップ、文書の差分更新、低評価回答の再評価まで必要です。PoC後の追加開発や障害対応、モデル変更を同じ会社が担うのか、別担当へ引き継ぐのかも比較すると、検証止まりや運用責任の空白を防げます。
精度評価と改善方法が具体的か
「高精度」といった表現だけで判断せず、評価方法を質問しましょう。実際の問い合わせから質問・期待回答・根拠文書をそろえた評価セットを作り、検索結果に正しい文書が含まれる割合と、最終回答の正確性を分けて測れることが重要です。正答率だけでなく、引用した根拠の妥当性、根拠がない場合に未回答へ切り替わるか、同じ質問への再現性も確認します。誤答を「検索漏れ」「古い文書」「生成時の解釈」に分類して改善できる会社なら、モデル変更だけに頼らず原因に応じて精度を上げられます。業務上許容できない誤答と人へ引き継ぐ条件まで設計できるかも比較してください。
セキュリティと権限設計に対応できるか
RAGは社内情報を横断的に扱うため、元文書の閲覧権限を検索結果と回答の両方へ反映する必要があります。認証方式、部署・役職ごとのアクセス制御、退職・異動時の権限同期、操作ログ、暗号化、保存地域、データ保持期間、LLM事業者による学習利用の有無を確認してください。権限外の文書名や回答の一部が表示されるだけでも情報漏えいにつながるため、テスト用アカウントで権限境界を検証できる体制が重要です。金融・医療・公共分野では、共有クラウドだけでなく専用環境やオンプレミスの可否、障害・インシデント時の連絡手順まで比較しましょう。
既存システムとの連携実績があるか
利用者が日常的に使うSharePoint、Google Drive、Box、Notion、Slack、Teams、基幹システムなどと連携できると、文書の二重管理を避け、情報更新と利用を定着させやすくなります。ただし、接続実績があるだけでは不十分です。新規・更新・削除の差分をいつ検索インデックスへ反映するか、元システムのアクセス権を維持できるか、API制限や通信障害で失敗したデータを再処理できるかを確認してください。自社と同じ製品・文書量・権限構造での実績があれば、本番移行時の追加開発や運用負荷を見積もりやすくなります。
RAG開発におすすめの会社8選
ここからは、公式サイトでRAGまたは生成AI・AI開発の支援内容を確認できる8社を紹介します。料金は案件のデータ量、連携先、セキュリティ要件などで変わるため、公開されていない場合は個別見積もりとしています。
| 会社名 | 主な特徴 | 向いている企業 | 料金 |
|---|---|---|---|
| 株式会社NativeAI【プロベルおすすめ】 | CTO品質保証、PoC〜運用 | 既存システムへRAGを組み込みたい | 60万円/1人月 |
| 株式会社AITECH【プロベルおすすめ】 | AIエージェント・業務自動化 | 業務全体を自動化したい | 10万~30万円程度/月(期間限定価格を含む) |
| 株式会社Vivixy【プロベルおすすめ】 | プライベート環境、医療AI | 高いセキュリティを求める | 100万~2,000万円(人月単価制) |
| 株式会社ヘッドウォータース | Azure、GraphRAG | Microsoft環境を活用したい | 個別見積もり |
| 株式会社エクサウィザーズ | RAGOps、継続改善 | 改善を内製化したい | 個別見積もり |
| 株式会社ブレインパッド | データ整備・検索精度改善 | データ品質から見直したい | 個別見積もり |
| 株式会社AVILEN | 技術実装・研修・内製化 | 開発と人材育成を進めたい | 個別見積もり |
| 株式会社neoAI | 独自前処理、高精度用途 | 金融・公共等の実運用を重視 | 個別見積もり |
株式会社NativeAI【プロベルおすすめ】
出典:株式会社NativeAI
| 会社名 | 株式会社NativeAI |
| 所在地 | 東京都中央区京橋三丁目3番13号 平和ビル三号館3F |
| 主な支援内容 | AIシステム・アプリ開発、PoC、運用保守 |
| RAGの特徴 | 既存システムへのAI機能追加、セキュリティまで一体支援 |
| 料金 | 60万円/1人月 |
株式会社NativeAIは、AI駆動型のシステム・アプリ開発、既存システムへのAI機能追加、PoC、運用支援を提供しています。CTOが開発窓口に立ち、システム開発、インフラ、サイバーセキュリティまで含めて品質を担保する体制を掲げています。
コールセンター向けシステムでは、要約や個人情報マスキングに加え、ハルシネーションを抑えるRAG機能を計画した支援事例を公開しています。既存業務システムへの組み込みから運用保守まで一体で相談したい場合や、検索精度だけでなくインフラとセキュリティも含めた責任範囲を明確にしたい場合に比較しやすい会社です。
筆者・監修者のおすすめポイント:
CTOが開発窓口に立ち、RAGを既存業務システムへ組み込みたい企業におすすめです。
株式会社AITECH【プロベルおすすめ】
出典:株式会社AITECH
| 会社名 | 株式会社AITECH |
| 所在地 | 東京都港区北青山一丁目3番1号 アールキューブ青山3階 |
| 主な支援内容 | AIエージェント構築、業務自動化、AI人材支援 |
| RAGの特徴 | データ整備・PoC・権限設計を含む業務活用 |
| 料金 | 10万~30万円程度/月(期間限定価格を含む) |
株式会社AITECHは、AIエージェント構築、業務自動化、AI人材育成を軸に企業のAI活用を支援しています。公開情報では、社内文書検索にRAGを使う際のデータ整備、権限設計、PoC評価などを実務的に解説しています。
RAGだけを独立した検索システムとして導入するのではなく、問い合わせ対応や業務ワークフロー全体の自動化へつなげたい場合に比較できます。検索結果を回答するだけでなく、その後の処理や担当者への引き継ぎまで設計したい企業、導入とあわせて現場のAI活用力を高めたい企業は、支援範囲と役割分担を相談するとよいでしょう。
筆者・監修者のおすすめポイント:
RAG単体ではなく、業務フロー全体の自動化や現場定着まで相談したい企業におすすめです。
株式会社Vivixy【プロベルおすすめ】
出典:NewBuddy
| 会社名 | 株式会社Vivixy |
| 所在地 | 三重県四日市市西新地7番3号 プラトンホテル四日市2F |
| 主な支援内容 | AI受託開発・導入支援 NewBuddy |
| RAGの特徴 | プライベート環境、専門領域のAI開発 |
| 料金 | 100万~2,000万円(人月単価制) |
株式会社Vivixyは、AI受託開発・導入支援サービス「NewBuddy」を提供しています。大企業や病院のAIシステム開発経験、プライベート環境での構築、現場の意見を反映した継続改善を強みとして掲げています。
公式FAQでは費用を人月単価制で算出すると説明しているため、必要な役割、人数、期間をそろえて他社見積もりと比較できます。機密性の高い文書を扱うため共有環境を避けたい場合や、医療など専門知識を必要とする領域で、要件整理から開発後の改善まで継続して相談したい企業に向いています。
筆者・監修者のおすすめポイント:
セキュリティ要件が厳しい環境や、医療など専門領域のAI導入を検討する企業におすすめです。
株式会社ヘッドウォータース
| 会社名 | 株式会社ヘッドウォータース |
| 所在地 | 東京都新宿区西新宿6丁目5番1号 新宿アイランドタワー4階 |
| 主な支援内容 | RAGシステム開発、精度改善コンサルティング |
| RAGの特徴 | Azure、GraphRAG、速度・コスト最適化 |
| 料金 | 個別見積もり |
株式会社ヘッドウォータースは、Microsoft Azureを中心としたセキュアなRAGシステム開発を提供しています。通常のRAGに加え、知識同士の関係を扱うGraphRAGや、応答速度・コストを考慮したアーキテクチャ設計にも対応しています。Microsoft 365やAzureを利用している企業は、既存の認証やデータ基盤との統合を前提に相談できます。
単純な文書検索にとどまらず、複数情報の関係をたどる質問へ対応したい場合や、精度と応答速度、クラウド費用のバランスを設計段階から検証したい場合に比較候補となります。自社環境と同等の構成での実績、権限同期、運用監視の範囲を確認しましょう。
筆者・監修者のおすすめポイント:
Microsoft環境との親和性や高度なRAGアーキテクチャを重視する企業におすすめです。
株式会社エクサウィザーズ
| 会社名 | 株式会社エクサウィザーズ |
| 所在地 | 東京都港区 |
| 主な支援内容 | exaBase Studio、RAGOps |
| RAGの特徴 | 利用者フィードバックを活用した継続改善 |
| 料金 | 個別見積もり |
株式会社エクサウィザーズは、AIアプリ開発環境「exaBase Studio」と、RAGを運用しながら改善する「RAGOps」を提供しています。PDFなどのデータを登録して早期に検証し、利用者のフィードバックを集めながら回答品質を改善できる点が特徴です。
開発会社へ都度改修を依頼するだけでなく、現場担当者も評価と改善へ関与し、RAGを継続的に育てたい企業に適しています。PoCの短期的な正答率だけでなく、低評価回答の収集方法、改善操作を担う担当者、データ更新後の再評価まで含めて運用設計を比較するとよいでしょう。
筆者・監修者のおすすめポイント:
運用担当者が回答品質を育てる仕組みを持ち、継続改善を内製化したい企業におすすめです。
株式会社ブレインパッド
| 会社名 | 株式会社ブレインパッド |
| 所在地 | 東京都港区 |
| 主な支援内容 | データ活用・AI導入支援 |
| RAGの特徴 | データ前処理、メタデータ、検索ロジックの改善 |
| 料金 | 個別見積もり |
株式会社ブレインパッドは、データ活用・分析の知見を生かしたAI支援を行う会社です。公式情報では、RAGの精度に影響するデータ前処理、メタデータフィルタ、検索ロジック、プロンプトを分けて改善する考え方を示しています。
文書の構造や品質に課題があり、モデルを変える前にデータ整備と検索精度から検証したい企業に向いています。表や図を含む文書、部門や製品ごとの属性を持つ資料を扱う場合は、どの前処理・メタデータ・評価指標を使うかを確認し、データ分析基盤との連携範囲も比較しましょう。
筆者・監修者のおすすめポイント:
データ品質や検索精度を丁寧に検証し、分析基盤とつなげたい企業におすすめです。
株式会社AVILEN
| 会社名 | 株式会社AVILEN |
| 所在地 | 東京都中央区 |
| 主な支援内容 | AI戦略、技術実装、研修・内製化 |
| RAGの特徴 | 異形式データの整備と業務プロセスへの実装 |
| 料金 | 個別見積もり |
株式会社AVILENは、AI戦略の策定から技術実装、研修・内製化まで支援しています。製造業では、形式の異なる議事録や実験ノート、タスクログをRAGが参照しやすい形に加工し、週報案を生成するAIエージェントを構築した事例を公開しています。
RAGを一つの検索機能として導入するだけでなく、取得した情報を業務成果物の作成へつなげたい場合に検討できます。業務プロセスの再設計や社内人材の育成も並行して進めたい企業は、開発後にどの運用を内製し、どこを継続支援として依頼するかまで確認すると比較しやすくなります。
筆者・監修者のおすすめポイント:
開発と人材育成を並行し、社内でAI活用を継続できる体制を作りたい企業におすすめです。
株式会社neoAI
| 会社名 | 株式会社neoAI |
| 所在地 | 東京都千代田区 |
| 主な支援内容 | 生成AIソリューション、LLM・RAG開発 |
| RAGの特徴 | 独自前処理・構造化、オンプレミス対応実績 |
| 料金 | 個別見積もり |
株式会社neoAIは、企業向けにカスタマイズ可能な生成AIソリューションを提供しています。鉄道会社向けの生成AIチャットボットでは、Webサイト情報をRAG向けに前処理・構造化し、FAQを手動更新せずに最新情報を反映する運用を実現した事例を公開しています。
金融機関向けにはオンプレミス環境でのLLM・RAG開発実績もあり、高い精度やセキュリティを求める用途で比較候補になります。更新頻度の高い情報を扱う企業は、データ取得から検索反映までの自動化範囲を、規制・機密性を重視する企業は、専用環境と監視・再評価の支援範囲を確認しましょう。
筆者・監修者のおすすめポイント:
複雑なFAQや規程を扱い、実運用で高い回答精度と更新性を求める企業におすすめです。
RAG開発の費用相場
RAG開発の料金は、PoC、本番開発、運用保守に分けて見積もるのが基本です。公開価格を設けず、要件に応じて個別見積もりとする会社が多くあります。単純な社内文書検索と、複数システム連携や厳格な権限管理を含む全社基盤では工数が大きく異なるため、「RAG開発一式」の金額だけで比較しないでください。
PoCでは対象業務とデータを限定し、評価用質問の作成、データ前処理、検索方式の検証、簡易画面の構築を行います。本開発では認証・権限、監視、ログ、既存システム連携、負荷対策、管理画面などが加わります。運用段階ではクラウドやLLM APIの従量費に加え、文書更新、精度評価、モデル変更、障害対応の費用が発生します。
費用を左右する要素
費用へ影響する主な要素は、対象文書の量と形式、連携するデータソース数、利用者数、権限の複雑さ、回答速度、可用性、セキュリティ要件、管理画面の有無です。画像中心のPDFや表が多い場合は、OCRやレイアウト解析が必要になり、テキスト中心の文書より前処理工数が増えます。文書のチャンク分割、埋め込み生成、ベクトル検索、リランキングを何通り検証するかでもPoC工数は変わります。また、利用量が増えるほどLLM・埋め込みモデル・検索基盤・クラウドの従量費が増えるため、初期の利用人数と質問回数だけでなく、全社展開後の想定量でも試算してもらいましょう。
また、精度目標が高いほど評価データの作成と改善回数が増えます。契約前には、初期構築に含まれる評価回数、追加改善の単価、データ更新作業の担当範囲を確認しましょう。
見積もりで確認する項目
見積書では、要件定義、データ前処理、PoC、本番移行、インフラ、外部API、保守、精度改善を分けて確認します。クラウド利用料、LLM・埋め込みモデルのAPI料金、検索基盤の費用が月額に含まれるのか、実費精算なのかも重要です。PoCの検証回数と合格条件、本番化しない場合の成果物、ソースコードや設定値の引き渡し範囲もそろえて比較してください。初期費用だけでなく、文書更新、評価データの追加、監視、モデル変更、連携先追加、利用量増加まで含む年間の総保有コストを試算すると、安価に見える提案の運用負担を見落としにくくなります。
RAG開発の進め方
RAG開発は、画面やモデルを先に決めるのではなく、対象業務と評価基準を定め、実データでPoCを行い、本番の権限・監視・更新運用へ段階的に進めます。各段階の完了条件と担当を明確にすると、検証の長期化や導入後の精度低下を防ぎやすくなります。
1. 対象業務と成功指標を決める
まず、誰のどの業務を改善するかを一つに絞ります。対象部門、利用者、質問の種類、参照する文書、現状の検索時間や問い合わせ件数を整理し、過去の問い合わせから代表質問と期待回答、根拠資料をそろえてください。成功指標は、正答率だけでなく、必要な根拠文書を検索できたか、回答に適切な出典が付くか、根拠がないときに無理に答えないか、業務時間をどれだけ減らせるかまで設定します。許容できない誤答と人へ引き継ぐ条件も定義しておけば、技術デモの印象ではなく業務で使えるかを判断できます。
2. データを整備してPoCを行う
参照する正本を決め、旧版、重複、下書き、権限不明の文書を除外します。PDF・Word・表・画像ごとに抽出結果を確認し、文書の見出しや更新日、部門などのメタデータも整備します。PoCでは見栄えの良いサンプルだけでなく、表記ゆれ、長い表、スキャンPDF、答えが存在しない質問を含む実データを使ってください。評価結果は質問ごとに記録し、データ不足、チャンク分割、検索順位、生成のどこを改善すべきか分類します。正答、根拠提示、未回答判定、応答時間などの合格条件を先に決めておくと、検証の長期化と都合のよい評価を防げます。
3. 本番設計と運用ルールを整える
本番化では、認証・権限、ログ、バックアップ、監視、障害時の対応、人へのエスカレーションを設計します。文書の更新・承認担当、検索インデックスへの反映頻度、削除・旧版の除外ルールも決めましょう。回答内容だけでなく、検索失敗、APIエラー、応答時間、モデルやクラウドの利用費を監視すると、品質低下と予算超過を早期に把握できます。利用開始後は、未回答や低評価の質問を定期的に再評価し、データ追加、チャンクや検索条件の調整、モデル変更の影響確認を行います。改善頻度と担当会社の保守範囲まで契約前に定めることが重要です。
RAG開発を成功させるために、要件を整理してプロベルへ相談しよう
RAG開発会社は、対応するクラウドやLLMだけでなく、データ整備、精度評価、セキュリティ、既存システム連携、本番後の改善体制まで比較して選ぶ必要があります。特に、PoCで高い精度を出すことと、実運用で権限や更新を守りながら使い続けられることは別の課題です。
相談前には、対象業務、利用者、参照データ、代表的な質問、許容できない誤答、既存システム、予算と導入時期を整理しましょう。あわせて、機密情報を外部環境へ送れるか、文書の更新・承認を誰が担うか、PoCから本番へ進む合格条件も共有すると提案を同じ条件で比べやすくなります。すべてを決め切る必要はありませんが、現状と優先順位が曖昧なままでは、技術構成や見積範囲が各社でそろいません。
RAG開発は、データ整備を得意とする会社、既存システムへの実装を得意とする会社、セキュリティや運用改善まで支援する会社で適性が異なります。プロベルにはAIシステム開発領域の掲載専門家がおり、実現したい業務、対象データ、権限要件、PoC後に必要な支援を伝えて相談先を検討できます。検索方式やモデル名だけで会社を決めず、自社で整理しきれていない条件も含めて相談すると、必要な役割を持つ候補を比較しやすくなります。