LLMOとは?「SEOをやれば十分」が半分間違いな理由
2026年10月29日

この記事の監修者
中川 裕貴(NYマーケティング株式会社 代表取締役/株式会社プロベル SEO顧問)
検索エンジンで調べる代わりに、ChatGPTやGeminiに質問して答えを得る人が増えています。その中で注目されているのが、AIの回答に自社を載せるための取り組み「LLMO」です。
弊社がBtoB企業のマーケティング担当者や決裁者659名に行った調査では、AIOやLLMOといった言葉を知っている人は88.7%にのぼりました。一方で、AI検索対策をまだ行っていない企業は53.4%と過半数です。言葉は広まったものの、何をすればいいのか分からないまま止まっている会社が多いのが実情です。
この記事ではLLMOの意味とSEOとの違い、AIが情報を選ぶ仕組み、BtoB企業の取り組みの実態、自社に必要かの判断基準、最初の一歩までをまとめました。自社が今LLMOに取り組むべきかを判断する材料にしてください。
この記事のポイント
- LLMOとはChatGPTやAI Overviewsなど生成AIの回答で、自社が引用・推薦されるようにする取り組み
- 施策の多くはSEOと共通する。違いは1つのページではなくWeb上の複数の情報源で評価される点
- BtoB企業の88.7%が言葉を知っている一方、53.4%は未着手(株式会社プロベル調べ)
- 今すぐやるべきかの基準は「その市場で勝てるかどうか」
- 最初の一歩はChatGPTやGeminiに自社の領域を質問してみること
LLMOとは生成AIの回答で自社が引用・推薦されるための最適化
LLMOとはChatGPTやGemini、GoogleのAI Overviewsといった生成AIが質問に答えるときに、自社の情報が引用されたり、おすすめとして名前を挙げられたりするように整える取り組みです。
これまでのWeb集客は検索結果の上位に表示されて、クリックしてもらうことが入口でした。ところが今はAIに質問して、返ってきた回答で情報収集を済ませる人が増えています。回答の中に自社の名前が出てこなければ、見込み客の比較検討の候補にすら入れません。LLMOはこの「AIの回答の中」という新しい入口に、自社を載せるための考え方です。

Web集客の入口の変化
読み方は「エルエルエムオー」でLarge Language Model Optimizationの略
LLMOは「エルエルエムオー」と読みます。Large Language Model Optimizationの頭文字をとった言葉で、日本語では「大規模言語モデル最適化」と訳されます。
LLMは「AIそのもの」でLLMOは「AIに選ばれるための対策」
名前が似ているので混同されがちですが、LLMとLLMOは別のものです。
- LLM(大規模言語モデル):膨大な文章を学習し、人間のように文章を理解・生成するAIの仕組みそのもの。ChatGPTやGemini、Claudeなどの中核になっている
- LLMO(大規模言語モデル最適化):そのLLMが回答をつくるときに、自社の情報を正しく理解し、引用してもらうための取り組み
SEO(検索エンジン最適化)が「検索エンジンに合わせて最適化すること」を指すのと同じで、LLMOは「LLMに合わせて最適化すること」を指します。
LLMOは公式用語ではなく定義は人によってさまざま
LLMOはGoogleやOpenAIが定めた公式の用語ではありません。マーケティング業界の中で自然に広まった言葉なので、人や会社によって指している範囲が少しずつ違います。似た意味の言葉として、AIO、GEO、AEOなども使われています(次の章で整理します)。
そのため、社内や支援会社とLLMOの話をするときは、最初に「何を対象に、何を目指すのか」をそろえておくと、話がかみ合わなくなるのを防げます。
AIO・GEO・AEOとの違いは生まれた経緯と指す範囲
LLMOの周りには、AIO、GEO、AEOといった似た言葉がたくさんあります。結論から言うと、言葉が生まれた経緯や指している範囲は少しずつ違いますが、実務で取り組む施策はほぼ同じです。
4つの用語の経緯と対象の違い
いずれも公式に定義された用語ではないため、以下は一般的な使われ方です。
| 用語 | 正式名称 | 生まれた経緯 | 主な対象 |
|---|---|---|---|
| LLMO | Large Language Model Optimization | LLM(大規模言語モデル)に合わせた最適化として、マーケティング業界で広まった | ChatGPTやGeminiなど、LLMを使ったAI |
| AIO | AI Optimization | AI全般への最適化を指す。日本では、GoogleのAI Overviews(AIによる概要)への対策の意味で使われることも多い | AI全般、またはAI Overviews |
| GEO | Generative Engine Optimization | 2023年に米プリンストン大学などの研究者が発表した論文で提唱された | Perplexityなど、生成AIを使った検索エンジン |
| AEO | Answer Engine Optimization | もともとは強調スニペットや音声検索への最適化を指していた。生成AIの普及で、AIの回答も含むようになった | 質問に直接答える仕組み全般 |
実務で指す施策はほぼ同じ
どの言葉を使っても、やることは「AIに自社を正しく理解してもらい、回答の中で引用・推薦してもらう」ことに変わりはありません。弊社の調査でも4つの言葉をまとめて「AI検索対策」として尋ねています。
言葉の違いにこだわる必要はありません。支援会社によって呼び方が違っても、中身が同じかどうかを確認すれば十分です。
LLMOが注目される理由はBtoBの比較検討の場がAIに移り始めたこと
LLMOが急に注目され始めたのは、検索の答えがAIの回答で完結するようになり、BtoBの発注先選びもAIの中で進むようになってきたからです。データで見ていきます。
検索の答えがAIの回答で完結し始めている
米国のマーケティング会社Seer Interactiveが、情報収集系の検索キーワード3,119件を分析した調査があります。AI Overviewsが表示される検索では、自然検索のクリック率が2024年6月の1.76%から、2025年9月には0.61%まで下がりました。
一方で、AI Overviewsの中で引用されたブランドは、引用されなかったブランドより自然検索のクリック率が35%高いという結果も出ています。検索結果で上位を取るだけでなく、AIの回答の中に入れるかどうかで、得られるクリックに差がつき始めています。
BtoBの発注先選びにも生成AIが使われ始めている
弊社がBtoBサービスの比較・選定・発注に関わった149名に聞いた調査では、情報収集や比較検討にChatGPTやGeminiなどの生成AIを使っている人が66.4%いました。検索エンジン(80.5%)にはまだ及びませんが、比較サイトや紹介メディア(50.3%)を上回っています。
1年前と比べて生成AIの活用が「増えた」と答えた人は91.2%です。使い方を見ると、「A社とB社を比較して」と尋ねる人が37.6%、自社の課題を入力して助言とサービス候補を聞く人が36.8%でした。「おすすめの会社を教えて」と聞くだけの人(25.6%)より、AIを比較や相談の相手として使っている人のほうが多いのです。
弊社でもAI経由の問い合わせが2026年に入って2〜3倍に
データだけでなく弊社の現場でも変化を実感しています。BtoBのビジネスマッチングサービスを運営する弊社には、2026年に入ってから、AI経由の問い合わせが2倍、3倍というペースで増えています。
多いのは、ChatGPTで「リード獲得に強い会社」「HR業界に強いビジネスマッチング」などを調べて、弊社にたどり着いたというケースです。検索エンジンで探していた人がAIに聞くようになり、その変化が問い合わせの経路にはっきり表れています。
SEOとの違いは「順位を取る」か「回答の中に入る」か
SEOとLLMOのいちばん大きな違いは、ゴールの場所です。SEOは検索結果の一覧で上位を取り、クリックしてもらうことを目指します。LLMOはAIが返す回答の中で引用され、推薦されることを目指します。
異なるのは対象・目的・評価の単位
| 比較項目 | SEO | LLMO |
|---|---|---|
| 対象 | Googleなどの検索エンジン | ChatGPTやAI Overviewsなどの生成AI |
| 目的 | 検索結果で上位に表示され、クリックされる | AIの回答で引用・推薦される |
| 評価の単位 | 主にページ単位(サイト全体の評価や被リンクも影響) | Web上の複数の情報源 |
| 主な成果指標 | 検索順位、流入数、クリック率 | 引用数、推薦数、指名検索の数 |
| 主な施策 | キーワード設計、コンテンツ、内部リンク、被リンク | 一次情報、情報の構造化、第三者からの言及 |
SEOで上位でもAIの回答に出ないケースも
AIは1つのページだけを見て回答をつくるわけではありません。複数のページや第三者の情報を読み合わせて、要約した答えを返します。そのため、自社の記事が検索で1位でも、他社のサイトやメディアの情報を組み合わせた回答になり、自社の名前が出てこないことがあります。
SEOが「1つの情報源で戦う」施策だとすれば、LLMOは「複数の情報源で戦う」施策です。自社サイトだけでなく、Web上のあちこちで自社がどう語られているかが、回答に影響します。

SEOとLLMOの評価のされ方
それでもLLMOの土台はSEO
だからといって、SEOが不要になるわけではありません。むしろ逆です。
AIがWebを検索して回答をつくるとき、参照するのは検索エンジンの上位に表示されているページであることが多いと考えられます。検索で見つからないページは、AIにも読まれにくいのです。そのため、LLMOはどうしてもSEOの延長線上にならざるを得ません。
GoogleもAI OverviewsやAIモードに表示されるために特別な最適化は必要なく、これまでのSEOの考え方がそのまま当てはまるという立場をとっています。
「SEOをやれば十分」は半分正解で半分は間違い
弊社が現場でよく見かけるのが、「SEOをやっておけばLLMOも大丈夫でしょう」という考え方です。これは半分正解で、半分は間違いだと考えています。
正解なのは、一発逆転の裏技のような施策は存在せず、ベースはあくまでSEOだという点です。間違いなのは、自社サイトのSEOだけでは足りないという点です。AIは複数の情報源を見て判断するので、第三者のメディアや口コミなど、自社サイトの外での評価もつくっていく必要があります。
AIの情報源は「学習データ」と「リアルタイム検索」の2つ
LLMOで何をすべきかを考えるには、AIがどこから情報を得ているかを知っておくと判断しやすくなります。AIが回答に使う情報の経路は、大きく分けて2つあります。

AIが回答をつくる2つの経路
1つ目は事前に学習したデータ
LLMはWeb上の文章や書籍など、膨大なデータをあらかじめ学習しています。「〇〇株式会社はどんな会社?」と聞かれたとき、AIは学習した知識をもとに答えることがあります。
この経路ではWeb上に自社についての情報がどれだけあり、どう語られているかが効いてきます。ただし、学習データが更新されるタイミングは公開されていないため、新しく出した情報が反映されるまでには時間がかかります。
2つ目は質問を受けてからのWeb検索
ChatGPTの検索機能やAI Overviewsなどは、質問を受けるとその場でWebを検索し、見つかったページを読んで回答をまとめます。この仕組みはRAG(検索拡張生成)と呼ばれます。回答の下に参照元のリンクが表示されるのは、この経路の場合です。
この経路では検索で見つかるページであることが前提になります。前の章で「LLMOの土台はSEO」と書いたのは、このためです。
引用されやすい情報に共通する4つの特徴
2つの経路をふまえると、AIに引用されやすい情報には次のような共通点があると考えられます。
- 見出しの直後に結論が書かれていると、AIが必要な部分を抜き出しやすい
- 独自の調査データや実績、現場の知見など、ほかのサイトにない一次情報がある
- 見出しや表、箇条書き、構造化データなどで構造が整っていて、情報の関係がはっきりしている
- 自社サイトの外でも、メディアや口コミで同じ内容が語られている
ただし、これをすべて満たせば必ず引用される、というものではありません。AIがどの情報をどれだけ重視しているかは公開されておらず、確実に引用される方法は今のところ存在しません。
多くのBtoB企業は言葉を知りつつも手をつけられていない
では、BtoB企業は実際にどこまでLLMOに取り組んでいるのでしょうか。弊社が2026年9月17日〜10月2日に、全国のBtoB企業でマーケティングやWeb集客、営業戦略に関わる実務担当者・決裁者659名に行った調査から、その実態を紹介します。
AIOやLLMOといった言葉を知っている人は88.7%にのぼる一方で、AI検索対策をまだ行っていない企業は53.4%と過半数でした。危機感はあっても、何をすればいいか分からず止まっている会社が多いのが実情です。
AI検索対策を「行っていない」と答えた人に理由を聞くと、最も多かったのは「具体的なノウハウがない・進め方が分からない」(49.1%)でした。次いで「費用対効果が読めない」(42.3%)、「社内にリソース・人材が不足している」(38.6%)が続きます。「予算がない」は16.2%にとどまりました。
お金がないから止まっているのではなく何から手をつければいいか、やって効果があるのかが分からないから止まっているのです。弊社が日々お客様と話していても、最も多く聞かれるのは「費用対効果が分からない」という声です。
自社に必要かは5つの質問で判断
「うちは今LLMOに取り組むべきか」。弊社の答えはシンプルで、判断の基準は「その市場で勝てるかどうか」です。
まず市場を見て、競合がまだ手をつけていないなら、今すぐ始めたほうがいいと考えています。競合がすでに取り組んでいても、情報が薄かったり、取り組みが中途半端だったりすれば、自社のノウハウや実績、顧客という資産で勝てる余地があります。逆に、勝てる見込みがない市場で無理に始める必要はありません。

LLMOに取り組むかの判断の流れ
この考え方をもとに、5つの質問にまとめました。
自社がLLMOに取り組むべきかのチェックリスト
- ☐ 見込み客が、ChatGPTやGeminiで自社の領域の会社やサービスを調べていそうだ
- ☐ 自社の領域についてAIに質問すると、競合の名前は出るが自社は出てこない(または、どの会社もほとんど出てこない)
- ☐ 競合の取り組み(第三者メディアでの露出、口コミ、一次情報の発信)は、まだ弱い
- ☐ 自社には、外に出せる一次情報(実績、事例、調査データ、顧客の声)がある
- ☐ 半年以上、取り組みを続ける体制をつくれる
判定の目安
- 3つ以上当てはまる:今すぐ取り組む価値があります
- 1〜2つ当てはまる:SEOを軸にしながら、できるところから小さく始めましょう
- 1つも当てはまらない:まずは2つ目の質問を実際にAIに投げて、現状を確かめるところから始めましょう
弊社としてはBtoB企業であれば、SEOを軸にしながらLLMOにも手をつけ始めるのが一番いい進め方だと考えています。
LLMO対策の全体像は「自社サイト」「技術面」「外部評価」の3つ
LLMOの対策は大きく3つに分けられます。

3つの対策が効く場所
自社サイト:正確な自社情報と一次情報の発信
最も取り組まれているのが、自社サイトでの情報発信です。「自社サイトでの正しい自社情報の拡充・発信」は68.4%、「オリジナル情報・一次情報の拡充・発信」は61.1%の企業が行っています。
サービス内容や料金、対応範囲、実績を正確に、分かりやすく書いておくことが基本です。AIは参照したページの内容をもとに回答するため、自社サイトに正しい情報がまとまっていないと、古い情報や誤った説明で紹介されてしまうことがあります。そのうえで、自社にしか出せない調査データや事例を発信すると、引用される理由が生まれます。
技術面:構造化データなどでAIが読みやすい形に
構造化データ(ページの内容をAIや検索エンジンが理解しやすい形で記述するコード)や、llms.txt(AIにサイトの概要や重要なページを伝えるためのファイル)などの技術的な対策に取り組んでいる企業は32.0%でした。
見落としやすいのが、robots.txtの設定です。AIのクローラーを意図せずブロックしていると、ほかの施策をどれだけ頑張っても読まれません。まずは設定を確認しておきましょう。なお、llms.txtは提案段階の仕組みで、効果がはっきり確認されているわけではありません。GoogleもAI OverviewsやAIモードに表示されるために、AI向けの新しいファイルやマークアップを用意する必要はないとしています。
外部評価:第三者メディアでの言及や口コミの獲得
実施率が最も低いのが、外部評価の対策です。「被リンク獲得・サイテーション・第三者メディア掲載」は26.5%、「外部サイトでの口コミ・レビューの獲得」は17.8%にとどまります。
一方で、弊社やお客様の支援の中で最も効果を感じているのが、この第三者メディアへの掲載です。理由は3つあります。
- Web上で自社が語られる場所が多いほど、AIがその情報を拾う確率は上がる
- 実施率が3割未満で、まだ誰もやり切れていないので、取り組めば差がつきやすい
- AIに情報が反映されるまでにはラグがあるので、早く始めた会社ほど有利になる
BtoBの発注に関わる200名への弊社の調査では、88.0%が商談前に評判や口コミを自分で調べていて、79.0%がネット上に客観的な評判がない企業への発注をためらった経験がありました。人もAIも第三者の評価を見て判断しています。外部評価は両方に効く施策です。
最初の一歩はChatGPTやGeminiに自社の領域を質問すること
構造化データやllms.txtから始める必要はありません。最初にやるべきなのは、今AIが自社をどう扱っているかを知ることです。ChatGPTやGeminiを開いて、実際に質問してみてください。5分あればできます。
質問は「カテゴリー」と「社名」の2種類で
弊社ではAIでの扱われ方を確かめるとき、2種類の質問を使い分けています。
1. カテゴリーで聞く:自社が思い出してもらえるか
見込み客が実際にしそうな質問を、自社を思い出してほしい文脈で投げます。
- 「名古屋でおすすめのWeb広告運用会社はどこですか?」
- 「BtoBのリード獲得に強い支援会社を5社教えてください」
- 「〇〇(自社の課題)を解決したい。どんなサービスがありますか?」
2. 社名で聞く:自社が正しく理解されているか
社名を名指しして、AIの理解の深さを確かめます。
- 「〇〇株式会社はどんな会社ですか?」
- 「〇〇株式会社の良いところと悪いところを教えてください」
回答で確認すべき3つのポイント
- カテゴリーの質問で、自社の名前が候補に入っているか
- サービス内容や強みが、古い情報や誤った説明になっていないか
- 自社が出ない場合、代わりにどの会社が、どの情報源をもとに推薦されているか

2種類の質問と確認する3つのポイント
3つ目が特に重要です。競合がどのメディアで語られているから推薦されているのかが分かれば、自社が次に何をすべきかが見えてきます。
なお、AIの回答は聞くたびに変わります。1回の結果で判断せず、複数のAIで何度か聞いてみてください。
効果が見え始めるのは半年以上続けてから
LLMOは始めてすぐに成果が出る施策ではありません。弊社の調査では、続けた期間によって効果の感じ方に大きな差がありました。
続けた期間で効果の実感に差
対策を行っている企業を続けている期間で分けて比べました。半年未満の企業で効果を感じているのは65.1%でしたが、半年以上の企業では83.2%に上がります。差は18.1ポイントです。
AIの学習や引用に情報が反映されるまでには、時間差があります。始めてから半年ほどは「成果が見えにくい期間」だと考えて、続けることが大切です。
効果測定の指標は「複数の質問での引用数・推奨数」と「指名検索」
LLMOにはSEOの検索順位のような決まった指標がまだありません。弊社では主に次の方法で効果を見ています。
- 複数の質問での引用数・推奨数:前の章で紹介したような質問を何パターンも用意し、自社が引用・推奨される回数を定期的に記録する
- 指名検索の数:AIで自社を知った人は、社名やサービス名で検索してくることが多い
- AI経由の流入:Googleアナリティクス4などで、ChatGPTなどAIサービスからの流入を確認する
1つの質問で出た、出ないに一喜一憂せず、質問のパターンを固定して推移を見るのがポイントです。質問の数が増えると手作業での記録は大変になるため、LLMOの計測ツールで定点観測する方法もあります。
やめた理由の多くは効果が見えないこと
対策を途中でやめた企業に理由を聞くと、「期待した効果が出なかった」が59.4%、「費用対効果が合わなかった」が56.2%でした。
効果を測る方法を決めないまま始めると、成果が見えないまま不安になり、やめてしまいがちです。始める前に、どの質問で、何を記録するのかを決めておきましょう。
LLMOで分かっていることとまだ分かっていないこと
LLMOについての記事やセミナーは増えていますが、正直に言うと、まだ分かっていないことのほうが多い領域です。弊社が現時点で「分かっている」と考えていることと、「まだ分かっていない」と考えていることを整理しました。
| 分かっていること | まだ分かっていないこと |
|---|---|
| AIはWebを検索するとき、検索結果の上位のページを参照することが多い | どのメディアやドメインに載ると、AIに参照されやすいのか |
| 自社サイトの外で語られている情報も、AIの回答に影響する | どんな情報を出せば、引用されやすくなるのか |
| AIに情報が反映されるまでには時間差がある | Web上でどれだけ露出すれば、推奨されるようになるのか |
| 確実に引用される方法は存在しない | 効果をどう測るのが正しいのか(標準的な指標) |
右側の問いに、今はっきり答えられる人はいないはずです。だからこそ、弊社も仮説を立て、試して、結果を見ながら進めています。「これをやれば必ずAIに選ばれます」と言い切る情報を見かけたら、少し疑ってみることをおすすめします。
よくある質問
LLMOは意味がない、という声もありますが本当ですか?
意味はあると考えています。弊社の調査では、BtoBの発注に関わる人の66.4%が、すでにパートナー選びに生成AIを使っています。比較検討の場がAIの中に移りつつある以上、そこで自社がどう扱われるかを無視することはできません。ただし、一発逆転の裏技があるわけではないので、「やればすぐに成果が出る」という期待で始めると、期待外れに感じるかもしれません。
中小企業でも取り組むべきですか?
取り組む価値はあります。弊社の調査では、AI検索対策の実施率に企業規模による差は見られませんでした。大企業が先に進んでいるわけではないので、競合がまだ手をつけていない領域なら中小企業でも先行できます。ただし、Web上で語られる量が多い会社ほどAIに推薦されやすいと考えられるため、外部評価を地道に増やしていくことが前提になります。
自社でできますか? 外注すべきですか?
自社サイトの情報の整理や一次情報の発信、AIへの質問による現状確認は、自社でも十分に始められます。実際、対策を行っている企業の51.6%は内製です。一方、第三者メディアでの露出づくりや、継続的な効果測定は手間がかかるため、外部の力を借りるのも一つの方法です。
どれくらいで効果が出ますか?
半年がひとつの目安です。弊社の調査では、半年以上続けた企業の83.2%が効果を実感していました(半年未満は65.1%)。
SEOをやめて、LLMOに切り替えるべきですか?
いいえ、SEOはやめないでください。AIは検索の上位にあるページを参照することが多いため、SEOはLLMOの土台そのものです。SEOを軸にしながら、LLMOで足りない部分(特に外部評価)を足していくのがおすすめです。
まとめ:LLMOはSEOを土台に「Web全体での評価」をつくる取り組み
LLMOとはChatGPTやAI Overviewsなど生成AIの回答で、自社が引用・推薦されるようにする取り組みです。施策の多くはSEOと共通していますが、自社サイトの1ページではなく、Web上の複数の情報源をもとに評価される点が違います。
BtoBの発注者の66.4%がすでにパートナー選びに生成AIを使っている一方で、AI検索対策を行っていない企業は53.4%と過半数です。正解がまだ固まっていない今だからこそ、早く始めた会社が有利になります。
まずはChatGPTやGeminiに自社の領域を質問してみてください。自社の名前が出てくるのか、出てこないなら誰が出ているのか。そこから、自社がやるべきことが見えてきます。
この記事の監修者

中川 裕貴
株式会社プロベル SEO顧問
NYマーケティング株式会社 代表取締役
SEO実務歴16年。大規模データベース型サイト・ポータルサイトのSEOを得意とし、月間1億PV規模のポータルサイトの成長を牽引。SEO分析ツール「NYSEO」の開発や、有料SEOコミュニティ「SEO Decision」の運営も手がける。プロベルでは、サイト構造や技術的SEO、LLMO・AI検索対策の戦略立案と改善を担う。