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【プロ監修】ローコード開発とは?特徴・メリットと注意点をわかりやすく解説

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【プロ監修】ローコード開発とは?特徴・メリットと注意点をわかりやすく解説

2026年02月17日

業務システムの内製化やDX推進が進む中で、「ローコード開発」という言葉を耳にする機会が増えています。
開発スピードを上げつつ、ある程度の柔軟性も確保できる手法として注目されていますが、実際には「ローコードツールとの違いが分からない」「どんな開発に向いているのか判断しにくい」と感じている方も多いのではないでしょうか。

ローコード開発は、単に開発を楽にするための技術ではなく、システム開発の進め方そのものを変える考え方です。
従来のスクラッチ開発やノーコード開発と比べて、どのような特徴があり、どんな場面で効果を発揮するのかを理解しておくことが、導入判断では重要になります。

本記事では、「ローコード開発とは何か」という基本的な定義から、典型的な開発プロセス、ノーコード・スクラッチ開発との違い、メリットと注意点、ユースケース、導入・運用のポイントまでを整理して解説します。
これからローコード開発を検討する方が、自社に合った開発手法かどうかを判断するための材料を得られる内容を目指しています。

ローコード開発とは

ローコード開発とは、GUIによる設定や部品の組み合わせを中心にしながら、必要な部分だけをコードで補完してシステムを構築する開発手法のことです。

従来のスクラッチ開発では、要件定義から実装まで多くの工程をコードで書き進める必要があり、開発期間やコストが膨らみやすいという課題がありました。
一方ローコード開発では、画面構築やデータ定義、ワークフローなどをGUIで素早く組み立て、その上で標準機能では対応できない部分のみをコードで実装します。

このため、

  • 開発初期のスピードを上げやすい
  • 要件変更や改善を繰り返しやすい
  • 業務担当者と開発者が同じ画面を見ながら議論できる

といった特徴があります。
ローコード開発は「コードを書かないこと」を目的にしたものではなく、コードを書く量と場所を最適化する開発手法だと捉えると分かりやすいでしょう。

また、ローコード開発はIT部門やエンジニアだけのものではありません。
業務部門が設計や改善に関与しやすく、エンジニアは高度な処理や連携部分に集中できるため、組織全体で開発を進めやすい体制を作りやすい点も特徴です。

次の章では、こうしたローコード開発が実際にどのような流れで進められるのか、典型的な開発プロセスを整理していきます。

ローコード開発の典型プロセス

◼︎ローコード開発の流れの結論表

フェーズ何を行うか開発手法としてのポイント
要件整理・設計業務フロー、データ構造、権限の整理後から変えにくい構造だけを先に固める
GUIによる画面・機能構築画面、フォーム、ワークフローの作成実物を見ながら早期に認識ズレを修正
必要箇所のコーディング標準機能で不足する処理の実装コードは「必要最小限」に留める
外部システム・SaaS連携API・コネクタによるデータ連携連携先変更やエラー時の設計を意識
運用・改善リリース後の修正・機能追加変更管理を前提に改善サイクルを回す

上記表のフェーズを以下で詳しく解説します。

要件整理・設計フェーズ

ローコード開発においても、最初の要件整理と設計は非常に重要です。
「ローコードだから後から直せばいい」と考えてしまうと、画面やデータ構造が場当たり的になり、結果として修正が難しくなるケースがあります。

このフェーズでは、業務フローの整理、扱うデータの洗い出し、利用者ごとの操作範囲などを明確にします。
すべてを細かく決め切る必要はありませんが、後から変更しにくい構造(データ設計や権限設計)だけは先に固めておくことが重要です。

ローコード開発では、業務担当者と開発者が同じ画面を見ながら設計を進めやすいため、「実際の業務とズレた設計になりにくい」という点も、このフェーズの大きな利点です。

GUIによる画面・機能構築

要件と設計が整理できたら、GUIを使って画面や基本機能を構築していきます。
フォーム、一覧、ボタン、ワークフローなどを画面操作で組み立てられるため、実際に動くものを早い段階で確認できます。

この工程では、完成イメージを見ながら調整できることがローコード開発の大きな特徴です。
業務担当者がその場でフィードバックできるため、認識違いを早期に修正しやすくなります。

また、標準機能でどこまで実現できるかを見極める工程でもあり、後続のコーディング範囲を最小限に抑えるための重要なステップになります。

必要箇所のコーディング

GUIだけでは対応できない要件に対して、コードを使って補完するのがこの工程です。
たとえば、複雑な条件分岐、独自の計算ロジック、外部APIとの細かな制御などが該当します。

ローコード開発では、すべてをコードで書くのではなく、必要な部分だけを書くという考え方が基本になります。
これにより、開発工数を抑えつつ、柔軟な仕様にも対応できます。

この工程ではエンジニアの役割が大きくなりますが、
全体の構造はGUIで可視化されているため、コードの影響範囲を把握しやすい点も特徴です。

外部システム・SaaS連携

多くの業務システムは、単体で完結せず、既存システムやSaaSとの連携が前提になります。
ローコード開発では、APIやコネクタを利用して、これらのシステムと比較的容易に連携できます。

たとえば、

  • 既存基幹システムのデータ参照
  • SaaSをトリガーとした処理
  • 複数システム間のデータ統合

といったケースです。

この工程では、連携先の仕様変更やエラー時の挙動も考慮して設計することが重要になります。
ローコードだからこそ、連携部分の設計を疎かにしないことが、安定運用につながります。

運用・改善フェーズ

ローコード開発は、リリースして終わりではありません。
運用しながら改善を重ねることを前提にした開発手法です。

実際の業務で使われ始めると、想定していなかった使い方や改善要望が出てくることがほとんどです。
ローコード開発では、こうした変更に対して、画面設定やロジックを比較的短時間で修正できます。

ただし、変更が容易な分、ルールなく修正を重ねると構造が複雑化しやすくなります。
運用フェーズでは、変更管理やレビューの仕組みを整えながら、改善サイクルを回すことが重要です。

ノーコード開発/スクラッチ開発との違い

◼︎ローコード開発とノーコード開発/スクラッチ開発の違いについての結論表

比較観点ローコード開発ノーコード開発スクラッチ開発
ノーコード開発との違い拡張前提で業務変化に対応しやすい定型業務・単純要件向き非該当
スクラッチ開発との違い速度と柔軟性のバランス型非該当完全自由だが期間・コストが大きい
開発体制の違い業務担当+エンジニアの協業非エンジニア主体エンジニア中心

上記表の比較観点について以下で詳しく解説します。

ノーコード開発との違い

ノーコード開発とローコード開発の違いは、「コードを書かないか/必要に応じて書くか」という単純な話ではありません。
より本質的な違いは、想定している開発のスコープと継続性にあります。

ノーコード開発は、あらかじめ用意された機能やテンプレートの範囲で完結することを前提としており、業務が比較的シンプルで、要件の変化が少ないケースに向いています。
短期間で形にできる反面、ツールの制約を超えた仕様変更が発生すると対応が難しくなります。

一方、ローコード開発は、まず標準機能で全体を組み立て、足りない部分だけをコードで補完することを前提にしています。
このため、業務ルールが複雑な場合や、将来的な拡張を見込んだ開発でも対応しやすくなります。

ノーコードは「決まった型で素早く作る開発」、ローコードは「変化を前提に育てていく開発」と考えると、違いが分かりやすいでしょう。

スクラッチ開発との違い

スクラッチ開発は、設計から実装までをすべてコードで作り上げる開発手法です。
自由度が非常に高く、複雑な要件にも対応できますが、その分、開発期間やコストが大きくなりやすい傾向があります。

ローコード開発では、画面構築や基本的なロジックをGUIで実装できるため、スクラッチに比べて初期開発を大幅に短縮できます。
また、実際に動くものを早期に確認しながら進められるため、要件の認識ズレも起きにくくなります。

一方で、ローコード開発はツールの設計思想や制約の影響を受けるため、すべてを自由に作れるわけではありません。
そのため、完全な自由度を求める場合はスクラッチ、スピードと柔軟性のバランスを重視する場合はローコードという使い分けが現実的です。

開発体制の違い

開発体制の観点でも、ノーコード・ローコード・スクラッチでは考え方が異なります。

ノーコード開発は、業務担当者や非エンジニアが主体となって進めやすく、IT部門を介さずに業務改善を行いたい場合に向いています。

スクラッチ開発は、エンジニア中心の体制が前提となり、要件定義から設計・実装・テストまで、専門的な分業が必要になります。

ローコード開発はその中間に位置し、業務側が設計や画面構築に関わり、エンジニアが高度な処理や連携部分を担当する、協業型の開発体制を取りやすいのが特徴です。

この体制により、業務理解と技術力を両立しながら開発を進めやすく、内製化と外部支援を組み合わせた運用にも適しています。

ローコード開発のメリット

◼︎メリットの結論表

メリット内容の要点開発手法としての価値
要件変更に強いGUI設定中心で仕様変更を反映しやすい業務変化や改善を前提にした開発がしやすい
拡張性と柔軟性のバランス標準機能+必要箇所のみコーディングノーコードの手軽さとスクラッチの柔軟性を両立
開発スピードの向上画面・基本機能を短期間で構築可能初期開発・改善サイクルの回転が速くなる

上記表のメリットについて以下で詳しく解説します。

要件変更に強い

ローコード開発の大きなメリットの一つが、要件変更への対応しやすさです。
実際の業務では、開発途中やリリース後に「想定と違った」「やはりこの機能が必要だった」といった変更が発生することは珍しくありません。

ローコード開発では、画面構成やワークフロー、データ項目などをGUI上で調整できるため、コードを大きく書き換えずに仕様変更を反映できるケースが多くなります。
このため、変更のたびに大きな手戻りが発生しにくく、改善のサイクルを回しやすくなります。

特に、業務フローが固まりきっていない段階や、新規事業・DX初期フェーズでは、この「変更しやすさ」が開発全体のリスクを下げる要因になります。

拡張性と柔軟性のバランス

ローコード開発は、ノーコードの手軽さとスクラッチ開発の柔軟性の中間に位置する手法です。
標準機能を使って効率よく構築しつつ、足りない部分はコードで補完できるため、開発の自由度と効率のバランスを取りやすい点が特徴です。

すべてをコードで作る場合と比べて、共通処理や画面構築の工数を大幅に削減できる一方、ツールの制約を超えた独自ロジックや外部連携にも対応できます。

このバランスにより、短期的なスピードだけでなく、中長期的な拡張も見据えた開発が可能になります。

開発スピードの向上

ローコード開発では、画面や基本機能をGUIで組み立てられるため、初期開発のスピードが大きく向上します。
従来であれば時間のかかっていた画面実装や簡易ロジックも、設定操作で完了するケースが多くあります。

また、実際に動く画面を見ながら開発を進められるため、認識のズレを早期に解消でき、手戻りが減る点もスピード向上につながります。

結果として、企画からリリースまでのリードタイムを短縮しやすく、改善を前提とした開発がしやすいという点が、ローコード開発の大きな利点です。

ローコード開発のデメリット・注意点

◼︎ローコード開発のデメリットや注意点についての結論表

注意点起こりやすい問題開発手法として意識すべきこと
設計不足による失敗場当たり的な構成になり、後から直しづらくなるデータ構造・権限・業務フローは最初に整理する
品質・ガバナンスの課題意図しない変更や不具合が発生しやすい変更管理・レビュー・権限管理を前提に運用する
教育・スキル面の課題属人化し、引き継ぎが困難になる基本ルールと最低限の教育体制を整える
コスト構造の見えにくさランニングコストが想定以上に膨らむ初期費用だけでなく中長期の運用コストを見る

上記表の注意点を踏まえて以下で詳しく解説します。

設計不足による失敗

ローコード開発は素早く形にできる反面、設計を軽視してしまうと失敗につながりやすい側面があります。
画面や機能をすぐに作れるため、「とりあえず動くものを作る」ことが先行し、全体構造を考えないまま開発が進んでしまうケースも少なくありません。

特に、データ構造や権限設計、業務フローの前提を曖昧なまま進めると、後から仕様を変更しようとした際に修正範囲が広がり、かえって手間が増えることがあります。

ローコード開発では、すべてを細かく決め切る必要はありませんが、後戻りしにくい部分だけは最初に設計しておくことが、失敗を防ぐポイントになります。

品質・ガバナンスの課題

ローコード開発は、開発のハードルが下がる分、品質管理や統制が後回しになりやすい傾向があります。
誰でも変更できる環境では、意図しない修正やルール外の運用が発生しやすくなります。

また、変更履歴やテスト体制が整っていないまま運用が進むと、不具合の原因特定が難しくなったり、影響範囲が把握できなくなったりすることがあります。

ローコードであっても、変更管理・レビュー・権限管理といった基本的なガバナンスは欠かせません。
「簡単に作れる」ことと「雑に運用してよい」ことは別である点を意識する必要があります。

教育・スキル面の課題

ローコード開発は、プログラミングに比べて学習コストが低いと言われますが、「誰でもすぐに使いこなせる」というわけではありません。

ツール特有の概念や設計思想を理解せずに使うと、画面やロジックが複雑化し、他の人が引き継げない状態になりやすくなります。
また、拡張部分では一定のプログラミングスキルが必要になることもあります。

そのため、ローコード開発を継続的に活用するには、最低限の設計ルールや教育の仕組みを整えることが重要になります。

コスト構造の見えにくさ

ローコード開発は、初期開発のコストを抑えやすい一方で、全体のコスト構造が分かりにくいという課題があります。

ツールの利用料は、ユーザー数やアプリ数、データ量、連携数などによって変動することが多く、運用が進むにつれて想定以上のランニングコストが発生するケースもあります。
また、運用・改善にかかる人件費や教育コストも無視できません。

導入時には、初期費用だけでなく、数年単位での運用コストを含めて判断する視点が重要になります。

ローコード開発のユースケース

◼︎ユースケースについての結論表

ユースケース主な内容ローコード開発が向いている理由
業務アプリ開発申請管理、顧客・案件管理、進捗管理など業務に合わせた調整・改善を繰り返しやすい
ワークフロー構築申請・承認、条件分岐、自動通知業務ルールを可視化し、変更にも柔軟に対応できる
既存システム周辺機能の追加入力補助画面、確認画面、ダッシュボード基幹システムを改修せずに使い勝手を改善できる
複数システムの統合・連携データ集約、システム間連携、中間レイヤー全体を作り直さずに連携・統合を進められる

上記表のユースケースについて以下で詳しく解説します。

業務アプリ開発

ローコード開発が特に力を発揮するのが、社内向けの業務アプリ開発です。
申請管理、顧客管理、案件管理、進捗管理など、業務に密着したアプリは要件が細かく、かつ変更も頻繁に発生します。

ローコード開発であれば、業務担当者が画面や項目を確認しながら設計に関われるため、「実際の業務と合わないアプリができてしまう」リスクを抑えやすくなります。
また、業務の変化に合わせて画面や項目を調整しやすい点も、大きなメリットです。

その結果、外注開発では対応しきれなかった業務改善を、現実的なコストとスピードで進められるようになります。

ワークフロー構築

申請・承認といった業務プロセスは、多くの企業で属人化や非効率が起こりやすい領域です。
ローコード開発では、こうした業務の流れをワークフローとして可視化し、そのままシステム化できます。

条件分岐や承認ルートの変更も設定ベースで対応できるため、組織変更やルール変更があった場合でも、システムを作り直す必要がありません。
また、通知や自動処理を組み合わせることで、手作業を減らすことも可能です。

業務フローをシステムとして定義できるため、業務の標準化と改善を同時に進めやすいユースケースと言えます。

既存システム周辺機能の追加

基幹システムや既存業務システムは、安定して動いている一方で、「画面が使いにくい」「現場の業務に合っていない」といった不満を抱えやすいものです。

ローコード開発では、既存システムのデータをAPIなどで連携し、入力補助画面や確認用画面、管理ダッシュボードといった周辺機能を追加できます。
これにより、基幹システム自体を大きく改修せずに、使い勝手だけを改善できます。

大規模な改修を避けつつ、現場の負担を減らす改善を積み重ねられる点が、このユースケースの特徴です。

複数システムの統合・連携

企業内では、部門ごとに異なるシステムやSaaSが使われていることも多く、データが分散して管理されているケースは少なくありません。

ローコード開発を使えば、複数のシステムと連携し、データを集約・加工して表示するアプリや、システム間をつなぐ中間レイヤーを構築できます。
これにより、データの転記や二重入力といった手作業を減らすことが可能です。

システム全体を作り直すのではなく、連携と統合に焦点を当てた改善を進められる点も、ローコード開発ならではの活用方法です。

ローコード開発の導入・運用ポイント

◼︎導入や運用のポイントについての結論表

ポイント何を意識すべきか運用上の効果
役割分担の設計業務部門とIT部門の担当範囲を明確にするスピードと品質のバランスを保てる
市民開発を前提とした統制許可範囲・承認フロー・変更ルールを決めるアプリ乱立や管理不在を防げる
標準部品・ルールの整備画面・命名・権限などを共通化する属人化を防ぎ、保守性と再利用性が高まる

上記表のポイントについて以下で詳しく解説します。

役割分担の設計

ローコード開発を成功させるためには、最初に「誰がどこまで担当するのか」を明確にしておくことが重要です。
ローコードは業務部門も開発に関われる手法ですが、すべてを一人や一部署で抱え込むと、属人化や品質低下につながりやすくなります。

たとえば、

  • 業務部門:業務要件の整理、画面構成の確認、改善要望の提示
  • IT部門・エンジニア:設計レビュー、複雑なロジックや連携部分の実装

といった形で役割を分けることで、スピードと安定性のバランスを取りやすくなります。
ローコード開発は、「誰でも作れる」よりも「協力して作れる」体制を意識することが重要です。

市民開発を前提とした統制

ローコード開発では、業務担当者が主体となって開発を行う「市民開発」が進みやすくなります。
これは大きなメリットである一方、統制が取れていないと、アプリの乱立や管理不在といった問題が発生しやすくなります。

そのため、

  • どの範囲まで市民開発を許可するか
  • 本番反映時の承認フロー
  • 変更時のレビューや記録

といったルールをあらかじめ決めておくことが重要です。
細かすぎるルールはスピードを落としますが、最低限のガイドラインを設けるだけでも運用の安定性は大きく変わります

標準部品・ルールの整備

ローコード開発を継続的に活用するには、標準化の考え方が欠かせません。
画面レイアウト、入力項目、命名規則、権限設計などをある程度揃えておくことで、アプリごとのバラつきを防ぎ、保守性を高めることができます。

また、よく使う処理や画面を部品化しておけば、新しいアプリを作る際のスピードも向上します。
これは属人化の防止だけでなく、品質を一定水準に保つうえでも有効です。

ローコード開発では、「自由に作れる環境」と「共通ルール」の両立が、長期運用の鍵になります。

ローコード開発におけるツール選びの観点

◼︎ツール選びの観点についての結論表

観点確認すべきポイント開発・運用への影響
外部連携の柔軟性API対応範囲、認証方式、GUI設定の可否既存システムやSaaSと無理なく連携できる
拡張性・カスタマイズ性カスタムコード可否、拡張可能な範囲業務成長や複雑要件にも対応しやすい
監査・運用への対応ログ、変更履歴、権限管理、環境分離トラブル時の原因特定や統制がしやすい
長期運用を見据えた選定サポート体制、更新頻度、将来性ツール依存リスクを抑え、安心して使い続けられる

上記表の観点について以下で詳しく解説します。

外部連携の柔軟性

ローコード開発では、ツール単体で完結するケースは多くありません。
既存の基幹システムやSaaS、外部サービスとどれだけ柔軟に連携できるかは、ツール選定時の重要な判断軸になります。

API連携に対応しているか、認証方式やデータ取得・更新の自由度は十分か、といった点は事前に確認しておく必要があります。
また、連携設定をGUIで完結できるのか、コードを書く必要があるのかによって、運用負荷も変わってきます。

ローコード開発では、「今つなげられるか」だけでなく、「将来つなぎたくなったときに対応できるか」という視点で連携機能を見ることが重要です。

拡張性・カスタマイズ性

ローコード開発の価値は、標準機能で素早く作れる点と、足りない部分を拡張できる点の両立にあります。
そのため、ツールがどこまでカスタマイズ可能かは必ず確認すべきポイントです。

具体的には、

  • カスタムコードが書けるか
  • どの範囲までコードで拡張できるか
  • 使用できる言語や実行環境に制限はあるか

といった点が挙げられます。

標準機能が充実していても、拡張性が乏しいツールは、業務が成長するにつれて制約になりやすくなります。
ローコード開発では、「最初は使わなくても、困ったときに拡張できる余地があるか」が重要です。

監査・運用への対応

実運用を考えると、監査や管理のしやすさもツール選びに欠かせません。
誰がいつ何を変更したのかを追跡できる仕組みがないと、トラブル発生時の対応が難しくなります。

変更履歴、操作ログ、権限管理、本番・検証環境の分離といった機能が備わっているかは、事前に確認しておくべきです。
特に、業務システムとして使う場合は、最低限の統制機能がないと長期運用が難しくなります。

ローコード開発では、開発のしやすさだけでなく「管理できるかどうか」を含めて評価する必要があります。

長期運用を見据えた選定

ローコード開発は、短期間で成果を出しやすい一方で、ツールへの依存度が高くなりやすいという特徴があります。
そのため、数年単位で使い続けられるかどうかを見据えた選定が重要です。

ベンダーのサポート体制やアップデート頻度、将来のロードマップが公開されているかどうかは、安心して使い続けるための判断材料になります。
また、利用者コミュニティやドキュメントの充実度も、内製化を進めるうえで無視できません。

ローコード開発のツール選びでは、「今すぐ使えるか」よりも「長く使い続けられるか」という視点が、結果的に失敗を防ぎます。

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